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【いま大人が子供にできること(72)】 ダウン症の息子を授かった父親が成長する物語

4/16(月) 15:02配信

ニュースソクラ

この子にはこうやって生まれてくる権利がある

 今日は
「マルコとパパ」 宇野和美訳 偕成社
という本をご紹介したいと思います。

 著者はアルゼンチン人でいまはスペイン在住の絵描きさん(どっちもスペイン語圏ではあります)。
 彼は仕事で成功し、結婚し、長男を授かり、次男が生まれてくるのを楽しみにしていました。
 ところが……。
 生まれてきた次男はダウン症だったのです。
 この子が生まれたらああしよう、こうしよう、と夢見ていた彼は
聞いてないよ!?
と混乱します……。

 奥さんは素晴らしい。
 一瞬も動じず、この子にはこうやって生まれてくる権利があるのよ!!
 といい放ちます(凄い!)。
 長男も、顔がトマトみたいに赤かろうと、ピザだろうと、世界一のぼくの弟には変わりない、と……。

 つまりこの本は一見子どもの絵物語のように見えますが(絵描きさんなので、彼は大量の絵で自分の心情を描いた)実は大人の男の、初めの混乱と絶望から、どんな素敵な子どもとだってこの子を取り替えることなんてできない、この子はかけがえのない子で、このままでいいんだ、というところにたどり着くまでの成長の物語なのです。

 しかもその絵がカッコいいの!
 全ページ絵が入っているので(笑)大変読みやすく、わかりやすい。

 子どもが幸福に生きるためには、まわりの大人が成熟すればいいのだ……というのは、なにもハンディを持った子どもだけではなく、すべての子どもにとっての真実でしょう。
 なので、ハンディを持っていないお子さんをお持ちのお父さんたちにも、この本を見ていただければ、と思います。

 そうして、大人の男性にはこのテーマ……成熟すること……は長いこと扱われてこなかったと思いますが、これはこれからのテーマの一つになるだろうと思います。
 そうしてなによりも男の人たち自身が成長し、成熟することを望むようになるのではないかと思います。

 子どもたちを守るために……。

■赤木 かん子:いま大人がこどもにできること(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。
著書多数。

最終更新:4/16(月) 15:02
ニュースソクラ

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