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社説[疑惑の全容解明]与党はもっと声上げよ

4/16(月) 7:35配信

沖縄タイムス

 「ウミを出し切る」と安倍晋三首相は強調する。問題の当事者である首相に、自主的な全容解明を期待することができるだろうか。

 森友学園を巡って国有地が、ごみを理由に8億円も値引きされ、決裁文書が大幅に改ざんされ、国会では虚偽答弁が行われた。

 加計学園の獣医学部新設を巡っては、柳瀬唯夫・首相秘書官(当時)が愛媛県や今治市の担当者と会っていたこと、その際、柳瀬氏が加計問題を「首相案件」と発言していたことが、愛媛県側の文書で明らかになっている。

 安倍首相は昨年2月、国会で「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」と発言した。

 森友・加計問題に一切関係していない、と言い続けるしかない立場に置かれているのである。

 柳瀬氏は「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはない」とコメントした。安倍首相は、柳瀬氏の発言を「信頼している」と答弁した。

 だが、国民は納得していない。

 共同通信社が14、15の両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、「首相案件」文書に関する安倍首相の説明に79・4%が「納得できない」と回答した。柳瀬氏の証人喚問が必要だとする答えは66・3%にのぼる。

 国民の信頼を急速に失い、裸の王様になりつつある首相に、自主的な真相究明が期待できるだろうか。

 答えはノーである。

■ ■

 「森友・加計・自衛隊日報」という公文書を巡る疑惑の3点セットだけではない。

 勝田智明・東京労働局長は、裁量労働制を違法に適用した野村不動産への特別指導を巡る不適切発言で更迭された。

 国会審議中に野党の質疑者にヤジを飛ばした佐伯耕三首相秘書官は厳重注意された。財務相の事務方トップである福田淳一・財務事務次官のセクハラ疑惑まで浮上している。

 安倍1強政治の下で行政全体がまっとうなバランスを失い、崩れ始めている。

 安倍政権は、政策の決定過程を公文書として保存し、国会答弁や情報公開などによって行政府としての説明責任を果たす、という姿勢が弱い。 行政内部でどのような議論を経て憲法や法律・規則等の解釈変更が行われたのか。政権の都合のいいように一方的に変更しても、政策決定過程は明らかにされない。

 説明責任が果たされず、ブラック・ボックスになっているケースが目立つのだ。

■ ■

 共同通信の調査によると、内閣支持率は前回調査より5・4ポイント減り、37・0%に落ち込んだ。不支持は52・6%で、支持を上回る逆転状態が続いている。

 「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する」-19世紀イギリスの歴史家で政治家でもあったジョン・アクトンの格言は今でも通用する。 公文書管理法改正の前にやるべきことは疑惑の全容解明である。国会の、とりわけ与党の責任は重い。

最終更新:4/16(月) 9:50
沖縄タイムス