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反骨心と素直な心 米ツアー制した小平智の2つの資質

4/17(火) 7:46配信

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

◇米国男子◇RBCヘリテージ 最終日(15日)◇ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)◇7099yd(パー71)

【画像】勝利を確信したガッツポーズ

「まだ打った方がいいのかな?」と苦笑する。見ているこちらがあ然とするほど、ごく自然な姿だった。日曜日の昼下がり、小平智はハーバータウンGLの練習場で数人の関係者に見守られつつ、最終組のホールアウトを待っていた。首位で並ぶキム・シウー(韓国)が最終ホールでバーディを獲らなければ、2人のプレーオフになる。「なんか緊張してきた」と笑いながら、軽く球を打っている。これから人生を変える決戦に挑むというのに、あまりにも無防備な振る舞い。“おいおい大丈夫か”というのが正直な印象だった。

小平はプレー中、喜怒哀楽を表に出さない。バーディを獲っても、帽子のつばに軽く指を触れるだけ。クラブをたたきつけることもない。この日のプレーオフでウィニングパットを沈めたときのような、派手なガッツポーズはまれだ。だから、外から彼の内面をうかがい知ることは容易ではない。

「反骨心みたいなものはあります」と、本人は言う。駒場学園高(東京)1年のとき、自分が出場した大会と、より格上の大会に出た同級生が同順位となり、冗談めいて「同じだね」と言うと、「お前と同じレベルにするな」と突き放された。日本大学に進学した後は監督と馬が合わず、好成績を収めてもレギュラーになれなかった。2年生のとき辞めることを決意して伝えると、「日大を中退して成功したやつはいない。途中で投げ出すやつは、何をやってもダメなんだ」と強く言われた。だが、そんな言葉をいつも発奮材料に変えてきた。

今大会の予選ラウンドで同組になった選手の1人は、英語が苦手な小平の口調をまねて「ノーイングリッシュ」と、馬鹿にするそぶりをみせた。「節目、節目にそういうことがある」と小平は言う。けっしてエリート街道を歩んできたわけではない。アマチュア時代、スポットライトの真ん中にいたのは同学年の薗田峻輔、藤本佳則らで、自分はいつもその陰にいた。

昨年12月、「インドネシアオープン」を直前で欠場した。「(世界ランク50位以内の維持が)大丈夫かどうか周りの人も分からなかった」が、10月の「日本オープン」途中で割れた1Wに代わるものが見つかっていなかった。最後は「ジャンボ(尾崎)さんに、『自信がないなら出るな』って言われた。その言葉が一番大きかったです」。

今年1月の「SMBCシンガポールオープン」。赤道直下の練習場で、小平は汗だくになって1Wの調整を行っていた。ヘッド内部にある接着剤(グルー)の分布が違うだけで、打った感触も変わってしまう。ヘアードライヤーやライターを使ってヘッド内部の接着剤を溶かし、手探りでその位置を変え、少しずつ求める感触に近づけていった。

「コツコツいくタイプ」というのが自己分析。「自分はものを知らないから」と、尾崎将司や片山晋呉、岩田寛ら先輩の言葉を大切に受け止める。

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