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肌荒れ、失恋…有休で癒やして 関西の企業がユニーク休暇

4/17(火) 16:00配信

神戸新聞NEXT

 「最近、肌荒れがひどい」「失恋でめいってしまって」-。そんな時に有給休暇(有休)を取得できる企業が関西にある。従業員の働きやすさに知恵を絞る企業は数あれど、なかなかの思い切り。仕事の効率が高まり、職場環境の対外的アピールにもつながっているという声もあり、兵庫、大阪でユニークな休暇制度を取り入れている企業を訪ねてみた。(三島大一郎)

 「肌荒れがストレスになり、仕事の効率が落ちた」。ナリス化粧品(大阪市福島区)では以前から、残業で睡眠時間が不足しがちな女性社員らからこんな意見が上がっていた。

 そこで世間一般の傾向も探ろうと今年1~2月、同社広報課が20~40代の働く女性(1690人)にアンケートを実施。「残業が増えると肌の調子が悪くなる」との回答が7割に上り、仕事に悪影響が出ていることが浮き彫りになった。

 同課は長時間労働による肌の不調を「残業肌」と命名。化粧品を扱う企業としてまず社員の残業肌を“撲滅”しようと、肌の不調を理由に有休が取れる「肌休暇」制度を会社に提案、導入が認められた。年間の有休(最大20日)の範囲内なら何日でも休むことができる仕組みに決まり、4月にスタートした。

 同社は「休暇を取りやすくする狙いもある。休める時はしっかり休み、気持ちよく仕事をしてもらいたい」とする。

     ◇     ◇

 独自の休暇制度を設ける企業は兵庫県内にもある。

 「失恋休暇」があるのは神戸市などで美容室を展開する「チカラコーポレーション」(同市中央区)。いつも明るいスタッフが失恋して表情が曇りがちになったことがあり、「傷心を癒やすための期間が必要」と、2011年に導入した。20代前半は1日、20代後半は2日、30代以上は3日間の有休が取れる。

 「休暇制度が話題となり、職場環境のPRにもつながっている」(同社)と思わぬ効果も生まれたが、取得したのはなぜか男性ばかりという。「女性はむしろ仕事に来ることで笑顔を取り戻す人が多いようだ」

 造園業を手掛ける「デジアラホールディングス」(同市東灘区)は08年に「親孝行休暇」を採用。両親の結婚記念日などに利用でき、取得率は9割に上る。12年には子どもの入学・卒業式などに休める「こども成長記念休暇」も設けた。同社は「親に感謝の気持ちを伝え、子どもの成長を実感することで仕事に張りが出るなど、プラス効果が大きい」と手応えを感じている。

 厚生労働省の調査によると、法定の年次有給休暇(年休)取得率は15年が48・7%、16年が49・4%。政府は「20年までに70%」を目標にするが、近年は50%弱で足踏みが続く。同省は企業が任意に定められる特別な休暇も含めて積極的な取得を促している。


■休みへの意識改革を

 多様な働き方の導入支援を行うグラース社労士事務所(東京)の新田香織代表の話 ユニークな休暇制度を導入することによって、職場に休みを取りやすい雰囲気は生まれるだろう。ただ、日本では仕事を休むことに不寛容な企業がまだまだ多い。経営者側が業務の効率化を進め、休暇を取りやすい環境を整えるのはもちろんだが、まず各職場で社員の休みに対する意識改革を進めることが不可欠。よりフレキシブルな働き方を実現するために、テレワークの導入なども積極的に検討すべきだ。

最終更新:4/17(火) 16:30
神戸新聞NEXT