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減る労働人口、留学生求人サイト 京都、企業と橋渡し

4/17(火) 17:51配信

京都新聞

 京都市は、外国人留学生の採用を検討する市内企業と、京都の大学などで学ぶ留学生を橋渡しするサイト「ハタ洛」を開設した。企業の求人情報と、日本で就職を希望する留学生の思いやスキルの両方を掲載した。留学生の採用に狙いを絞ったマッチングサイトの開設は京都で初めてという。
 ■志望先に質問・意見交換
 日本学生支援機構の調査によると、留学生の6割が日本で就職を希望しているが、実際に就職したのは3割程度。京都市内の大学や短大などでも2017年に8317人の留学生が学んでいたが、同様の傾向になっている。4月の一斉入社など日本独自の仕組みに不慣れなことや、情報不足が原因とみられる。
 留学生が日本で就職する際は、日本人学生を主な対象にした就職情報サイトで外国人を採用する企業を探すか、日本で就職した先輩らを頼る場合が多い。そのため留学生が求める情報にたどりつきやすくしようと、1月末にサイトを立ち上げた。
 サイトでは、市内に本社や事業所があるものづくりや観光、ITなどの46社が事業内容や従業員数、外国人従業員の採用状況などの情報を提供している。登録した留学生は、企業ごとのメッセージ欄に書き込むだけで質問や意見交換などができる。企業側も、留学生の自己PRや資格、日本での就職を考えている理由などを閲覧できる。
 サイトを日本語で作成することで、日本語を一定理解している留学生の利用を誘導し、就職・採用活動を巡る言葉の壁の解消につなげる。
 現在は中国や韓国の出身者ら225人が登録済み。市総合政策室は「今年の就職戦線から活用してほしい」と呼び掛けている。
 ■減る労働力、海外に活路
 京都市が外国人留学生向けの就職マッチングサイト「ハタ洛」を開設した背景には、市内で学ぶ留学生が増える一方、少子高齢化で労働人口が減る中で、京都経済を支える人材を確保する狙いがある。留学生の就職支援を拡充することで、「大学のまち」への留学生誘致にもつなげる考えだ。
 「面接でやりとりを重ねながら、いい企業を見つけてほしい」。2月上旬、京都市が下京区で開いた留学生向けの就職セミナー。市内の企業などで働く元留学生らが自らの就職活動体験を語り、現役留学生約30人が熱い視線を送った。
 同志社大で学ぶ中国人リン・ユシュンさん(25)は「中小企業と大企業で働く違いが分かった。卒業後はできれば京都の伝統産業で働きたい」と話した。
 サイトには、求職や求人の情報だけでなく、留学生と企業関係者が直接顔を合わせて話ができるようなセミナーなどの案内も掲載する。また留学生と企業の双方から相談や悩みを受け付けるコーディネーターも紹介している。
 市内の大学や短大などで学ぶ留学生数は2017年に8317人に上り、過去10年で1・8倍になった。京都府内で16年に就職した留学生は450人で、5年で2・4倍に増えた。
 市内の中小企業の中には海外展開の動きが広がっているが、人手不足が目立つ。観光業界では訪日外国人の増加に伴って外国語と日本語ができる留学生の採用意欲が高まっている。市は、企業が求める人材の確保が地域経済の底上げにもつながるとみている。
 人口減少対策の側面もある。少子高齢化の進行で京都市の人口は現在約147万人だが、今後20年で約20万人減る見込み。「持続可能な都市づくり」を目指す市の有識者会議でも「留学生を含めて大学生の働く場所を確保することが重要」との指摘が出ていた。
 留学生の就職支援を巡る自治体間の競争は激しさを増している。九州の7県や経済界などは京都市に先行し、九州で学ぶ外国人留学生を企業に結び付けるマッチングサイトを昨年1月に立ち上げている。1年間で留学生176人、企業150社が登録したといい、福岡県の担当者は「就職という成功事例を積み上げ、登録をさらに増やしたい」と意気込む。
 京都市内の大学生数は計14万人に上り、人口の約1割に相当するが、長期的には18歳人口の減少も避けられない。市総合企画局は「就職という出口対策を強化すれば、入口の留学生誘致でも有利に働く」とサイトの効果に期待している。

最終更新:4/17(火) 17:51
京都新聞