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<米露>アフガンでも対立 ロシア、旧敵タリバンに接近

4/17(火) 21:49配信

毎日新聞

 【ニューデリー松井聡】内戦下のアフガニスタンでロシアが、米国が掃討作戦を進める旧支配勢力タリバンとの関係を強化している。旧ソ連のアフガニスタンからの撤退が決まった和平協定から今月で30年。だが米国が2011年以降、駐留部隊を削減し存在感を低下させる中、ロシアは「かつての敵」に接近する形で再び存在感を増しつつあり、シリア同様、アフガンでも米露の対立が鮮明になりつつある。

 「アフガンは長年大国に翻弄(ほんろう)されてきた。残念ながらそれが終わる気配はない」。今月中旬、気温が40度近いインドの首都ニューデリー。アフガン人約1000人が集住する「リトル・カブール」の路上で、砂ぼこりと排ガスの中、ソ連侵攻後に難民として西部ヘラートから逃げてきたアジズ・アフマドさん(54)は、ナンを売りながらやりきれない表情を浮かべた。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2016年時点で、アフガン出身の難民は約250万人で、うち約1万4000人がインドで暮らす。

 旧ソ連は1988年4月、タリバンの母体となったイスラム原理主義勢力(ムジャヒディン)に敗れる形でアフガンからの撤退を決めた。旧ソ連撤退後、ムジャヒディンは仲間割れし内戦が続いた。パキスタンやイランなど周辺国が、それぞれ特定の勢力を支援。96年には、パキスタンの支援を受けたタリバンが首都カブールを制圧し政権を樹立した。

 しかしタリバンは、ビンラディン容疑者率いる国際テロ組織アルカイダと連携したため、2001年の米同時多発テロの報復として米英軍から攻撃され政権は崩壊。一時組織も弱体化したが次第に復活し、現在は政府や外国機関を標的にテロを繰り返している。

 「ロシアはタリバンに武器を供給している」。米軍のニコルソン現地司令官は3月、英BBCとのインタビューでロシアを非難した。ロシアのカブロフ・アフガン特使はすぐにこれを否定。一方、タリバンとの関係をここ数年強化し、地域の安定などについて議論していることは認めた。中国やイランも近年タリバンと接触し、関係を強めていると指摘される。

 こうした背景について、インドのアフガン専門家、シュシャント・サレーン氏は「アフガンは米国の影響力低下で権力の空白地帯になった。特にロシアは米国と逆の立場を取ることで存在感を高めようとしており、シリアと似た状況になりつつある」と指摘。「影響力を持つ国々が真剣に和平に取り組まない限り、内戦は終わらないだろう」と分析する。

◇◆旧ソ連の侵攻以降の主な出来事◇◆

1979年12月 旧ソ連が侵攻

1988年4月 旧ソ連の撤退で合意

1989年2月 旧ソ連の撤退完了

1994年ごろ タリバンが活動を開始

1996年9月 タリバンが首都カブールを制圧し、政権を樹立

2001年9月 米同時多発テロが発生

     10月 米英軍がアフガン攻撃を開始

     11月 首都カブールが陥落

2009年12月 オバマ前米大統領が11年7月の撤退開始を表明。最大で約14万人いた要員が17年時点で約1万4000人に

2017年8月 トランプ米大統領が撤退方針を転換し、4000人の増派を決定

最終更新:4/17(火) 21:49
毎日新聞