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<中国GDP>堅調続くも、米の制裁がリスク 1~3月実質

4/17(火) 22:51配信

毎日新聞

 【北京・赤間清広】中国国家統計局は17日、今年1~3月期の国内総生産(GDP)の伸び率が物価変動の影響を除いた実質で前年同期比6.8%だったと発表した。2017年7~9月期から3四半期連続で成長率は横ばい(6.8%)で、中国政府が設定した今年の成長率目標(6.5%前後)を大きく上回る堅調さが続いている。しかし、トランプ米政権との通商摩擦が深刻化しており、中国経済は厳しい景気減速リスクにさらされている。

 「中国経済は良好なスタートを切った」。国家統計局の邢志宏報道官は17日の記者会見でこう強調した。

 けん引役は民間部門だ。先端分野の製造設備増強など民間投資が前年同期比8.9%増(17年実績6.0%増)となったほか、外需の改善に支えられて工業生産も6.8%増(同6.6%増)に伸びた。個人消費の動向を示す社会消費品小売総額も9.8%増(同10.2%増)と堅調で、特にインターネット販売は35.4%増と勢いが続く。

 一方で今回の統計からは景気変調の兆しも読み取れる。

 これまで中国経済を底上げしてきたインフラ投資は13.0%増(同19.0%増)と失速した。習近平指導部は昨年10月の中国共産党大会以降、成長よりも経済の「質」を重視する方針を打ち出している。金融リスクにつながる非効率な投資の抑制傾向は今後も続く見通しで、政府部門による景気のカンフル剤は当面、期待できない。

 さらに中国経済の先行き不透明感を強めているのが、「貿易戦争」の瀬戸際にある米国との通商摩擦だ。トランプ政権が対中制裁発動に踏み切れば、中国経済の成長エンジンである輸出に急ブレーキがかかる。

 中国政府はトランプ政権が対中制裁を発動した場合、米国産の大豆や自動車、飛行機などを対象に25%の追加関税を課す報復措置を表明している。両国は貿易戦争回避に向け水面下で事態打開に向けた交渉を進めている模様だが、解決の糸口は見えない。今後の展開次第では輸出だけでなく、堅調だった中国国内の消費にも冷や水を浴びせる恐れがある。

 「追加関税がかかれば中国での販売価格が10万元(約170万円)以上、値上がりする恐れがある」。北京市内にある米自動車メーカー販売店は頭を抱える。中国は世界最大の自動車市場だが、新車販売の伸びは鈍化しており、かつての勢いは消えつつある。自動車業界が米中の貿易戦争に巻き込まれれば、混乱は市場全体に広がりかねない。

 米国は中国にとって主要な大豆輸入先で、追加関税による報復措置は中国内の大豆価格高騰を招く「もろ刃の剣」でもある。中国メディアによると、大豆価格上昇の懸念から、家畜飼料など関連商品の値上がりが始まっている。

 中国政府は表向き「内需が堅調に拡大しており、中米貿易摩擦が悪化しても中国経済への影響は少ない」(邢報道官)と強調している。しかし、貿易戦争は米中両国の経済を直撃し、堅調な世界経済にも深刻な影響を及ぼす公算が大きい。中国経済にとっては当面、貿易戦争回避が最大の「景気対策」となりそうだ。

 ◇統計の信頼性問う声も

 【北京・赤間清広】中国の今年1~3月期の実質成長率は前年同期比6.8%となり、17年7~9月期から3四半期連続で横ばいだった。個人消費や工業生産などさまざまな指標を積み上げて計算する成長率の横ばいが続くのは極めて異例で、中国の統計の信頼性を問う声が改めて強まりそうだ。

 中国の実質成長率は16年1~3月期から3四半期連続で6.7%、17年1~3月期からは2四半期連続で6.9%となるなど、この2年間は6.7~6.9%の極めて狭い範囲内でほぼ変動がない状況が続いている。

最終更新:4/17(火) 23:46
毎日新聞