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吉田美奈子インタビュー(2)このツアーは“東京テンダベリー”

4/17(火) 20:30配信

デイリースポーツ

 今年でデビュー45周年を迎えるシンガー・ソングライター、吉田美奈子(65)が、森俊之(ピアノ)とのデュオで全33公演の全国ツアーを行っている。16日、神戸チキンジョージ公演を終えた吉田に、今回のツアーについてインタビュー。話題はツアーのテーマや選曲から、ゆかりのミュージシャンや家族にまで及んだ。

【写真】吉田美奈子 今の感じで歌っている「夢で逢えたら」

 その(2)では“東京テンダベリー”とする今ツアーのテーマや、選曲の理由について語る(※ライブの内容に触れています。ご注意ください)。

  ◇  ◇

 吉田はライブの冒頭で、ツアーの選曲について「なかなかディープなメニュー」と述べ、「大好き」という米シンガー・ソングライター、ローラ・ニーロの名盤「ニューヨーク・テンダベリー」(1969年)の名を挙げて「“東京テンダベリー”というべきもの」と説明した。

 -“東京テンダベリー”はどういったところから考えられたのでしょうか。

 「いつも皆さんが喜ぶ(選曲)って言ったらおかしいですけど。一見、華やかな曲が皆さんわりとお好きで。でもアルバムの中に入った、小品っていうか、もっと内省的な曲を歌いたいなって思って。ローラ・ニーロの『ニューヨーク・テンダベリー』はずーっと大好きなアルバムで、ライブでそういうことをやってもきっと許してもらえるかなと思って、そういうメニューにしました。

 大滝詠一さんの『夢で逢えたら』ばっかり入っているアルバム(86バージョンの『夢で逢えたら』を収録した『EIICHI OHTAKI Song Book 3』)も出るし、私のリイシューされたもの(75年の『MINAKO』から83年の『IN MOTION』までのアルバム9作)もたくさんあるので、だったらその、内側に入っていく曲をあえて選んでやるっていうのをやりたいなと思いまして」

 MCでは曲の成り立ちや背景について1曲1曲、丁寧に説明している。

 「どういう気持ちでその詞を書いているのかということを説明した方が(いい)。詞って、どう削ぎ取るかとか、贅肉だけつけるかということなので。音符が付いてるので、いわゆる短い言葉だけの詩よりはイメージはたくさん湧くんですけど。ストーリーの中にいる主人公の気持ちとかを説明した方が、よりリアリティーを持って聴いていただけるかと思って、それで。こういうメニューなので、詞のことを一つ一つ説明した方がいいかなと思いまして」

 例えば、13曲目の「凪」で、吉田は夫の生田朗さんが88年8月にメキシコで交通事故死した直後に作った曲であることを説明し、「今年で30年になります。なかなか悲しくて歌えなかった。(生田さんを)とても愛していた」と語ってから歌った。

 「ちょうど『ダーク・クリスタル』っていうアルバムのレコーディング中だったんですね。レコーディングを先に延ばして、お葬式やったりなんかして。その間に書く時間があったので。当初入れる予定じゃない曲を書いて、その時に入れたんですね。そのことを昨日のように覚えているけど、あまり引きずっても良くないと思って。もう30年もたつし、曲として歌えるようになったらいいなと。

 私は完全に作っているものよりノンフィクションな、リアリティーのある、自分の中にいったん取り込んだものを出す詞が多いので、なおのこと、その曲を歌えるようになったらいいなと思いまして、それであえてメニューに。前、バンドで歌ったりしてましたけど、それはわりと無機的に歌っていたんですね。今回はとっても表現として、愛情を込めて歌っているので。破綻しないように、感情的にならないように、丁寧に曲として皆さんに聴いていただくのをちゃんと確保して歌うということです」

      (続く)