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日中ハイレベル経済対話 米中貿易摩擦で接近も、知的財産侵害などで溝 輸入制限でも共同歩調取れず

4/17(火) 6:10配信

産経新聞

 日中両政府が16日、経済の課題を議論する「日中ハイレベル経済対話」を約8年ぶりに開催した背景には、米中の貿易摩擦の激化がある。今回の経済対話では、多国間の枠組みと一線を画すトランプ米政権を念頭に、日中は世界貿易機関(WTO)を中心とする多角的貿易体制の重要性について確認した。ただ、日本は知的財産の侵害や鉄鋼の過剰生産などで中国の通商政策を問題視しており、日中の溝も深い。

 「もっと早い実現を期待していたのだが…」。外務省関係者は、日中ハイレベル経済対話が約8年間も開かれなかったことに、ため息をもらす。

 経済対話は2007年12月に第1回を開催。その後も、09年6月、10年8月とコンスタントに開いてきた。だが、その後は尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船の領海侵入などで日中関係が冷え込み、中国の反日デモの影響もあって開催できない状況が続いた。

 中国の姿勢が変わったのは、トランプ米大統領の誕生からだ。トランプ氏は対中赤字の削減を目指し、中国製品に高関税を課す制裁措置を決定。中国も対米報復関税を発動して関係がこじれる中、中国は日本との関係改善を模索し、王毅外相の訪日に合わせた経済対話を日本側に働きかけた。

 日本側も中国との経済対話で「自由貿易体制の維持の重要性を話し合う」(外務省関係者)ことで、保護主義的な動きを強めるトランプ氏を牽(けん)制(せい)できるとの思惑が透ける。

 もっとも対米関係では日中で隔たりが大きい。鉄鋼などに高関税を課す米国の輸入制限は日中ともに対象国だ。中国が米国による保護主義的な政策に懸念を示したのに対し、日本は逆に「中国の鉄鋼過剰生産は対処が必要だ」(河野太郎外相)と問題を提起。結局、米国の輸入制限で日中は共同歩調を取れなかった。

 そもそも日本は国有企業の優遇など市場をゆがめる中国に対し「米欧と連携して対抗する」(政府関係者)方針だ。対外強硬策を強めるトランプ氏への対応で、日中が連携できる領域は限られるのが現状だ。(大柳聡庸)

最終更新:4/17(火) 6:10
産経新聞