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ブラジル、特許出願から登録までの期間は平均8年

4/17(火) 21:38配信

MEGABRASIL

査定速度は世界のワースト5

ブラジル人にとって転職はもちろんのこと、起業の心理的ハードルはかなり低いようで、前職での退職金を元手に事業を始めようとすることは珍しくない。起業家、一国一城の主に対するあこがれが比較的強く出る国民性のようだ。

起業を目指す人に対し、小・零細企業支援サービス機関(SEBRAE)など支援機関は存在するが、独自の発明を事業化するにあたっては大きな障害があるという。

TVグローボが4月8日、経済情報番組「ペケーナス・エンプレーザス・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で伝えたところによると、ブラジルでは特許出願申請から査定結果通知まで平均で8年かかるという。

特許は一般的に出願後、特許を管轄する省庁が出願内容を精査し、特許として認められるかどうかの査定を行い、出願者に査定の結果を通知する。査定の結果、特許として登録が可能なものは出願者が登録申請を行い、出願者の特許権が確定する。ブラジルも同じ流れをたどる。

ブラジルで特許を扱うのは国立産業財産権院(INPI)だが、出願に対する査定速度に関しては世界のワースト5入りしている。ブラジルに続くのはインド、チェコ、ベトナムの3国のみとなっている。

世界の経済、テクノロジーの進化は年々早まっているにも関わらず、特許出願から査定結果の通知までの期間は一向に縮まらない。特許権の存続期間は日本と同じく出願の日から20年だが、査定結果通知までの期間が長いと、その間権利が不確定なまま事業を続けていくことになる。

法律上は特許権が登録されれば出願日までさかのぼって特許権者を保護することになっているが、仮に権利侵害があったとしても、出願日まで侵害の事実をさかのぼって損害賠償請求する労力は膨大だ。しかも小規模事業者にとっては特許侵害を立証するために調査をするのは資金・労力の面で現実的にはほぼありえない。

実際に特許出願中の企業、キャット・マイ・ペットは事業開始から4年目を迎えたベンチャー企業。年商400万レアル(約1億2800万円)と順調に事業を広げてきた。売れ筋商品は猫用の自動給水機でこの商品について同社は特許を出願している。

猫の飼い主が頭を悩ませることの一つに、飼い主が用意した道具を自分の猫が気に入って使ってくれるかどうか、という点があるが、同社の給水機はその点を軽くクリアしているようだ。

同社を立ち上げた起業家のアグネス・クリスチーナ氏によると、顧客の飼い猫の95%以上が給水機になじんで毎日使っているとのことだ。飼い主はどうやって猫に水を飲ませようか頭を悩ませることもなくなる。

給水機は評判を呼び、またたく間に大ヒット商品となったが、特許だけは相変わらず審査中のままだ。アグネス氏いわく、すでに品質の悪い、廉価な模倣品も出回っているとのことだ。

サンパウロ州アチバイア市でソフトウェアと電圧モニター製造を行う企業、ツリーテック・システマス・ディジタイス社(以下「TSD」)も同様の悩みを抱えている。TSDは米国で自社製品に関する特許登録を終えているが、ブラジルでは出願は終わっているものの、まだ査定結果を受け取っていない。

TSDの技術開発部ディレクターのダニエウ・ペドローザ氏によると、申請したのは11年前で、特許に保証された独占的利用権の存続期間20年の半分以上が経過している。

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最終更新:4/19(木) 0:56
MEGABRASIL