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まるでゾウの鼻 長い口を持つ昆虫「ツバキシギゾウムシ」 産卵の道具にも

4/17(火) 8:11配信

西日本新聞

栗林慧 虫の目図鑑

 生物生態写真家の栗林慧(くりばやしさとし)さんが撮影した昆虫たちが登場するコーナー。

⇒【画像】長い口を使ってツバキの実に穴を開けている「ツバキシギゾウムシ」

 ゾウムシとは、その顔にゾウの鼻のように長い口がついているので付けられた名前です。

 日本に千種類以上の仲間がいて、その全部が長い鼻をしているかというと、そうではなく、ふつうの昆虫と同じようなものもいれば、このツバキシギゾウムシのように、ものすごく長い口をしているものもいます。

長い口は産卵の道具にも

 長い口といえば、代表的な昆虫はチョウやガでしょう。チョウやガはストロー状の長い口を使って花の蜜などを吸っていますが、ゾウムシの場合は同じように長くても、その構造が違います。

 ゾウムシの場合は、この長い管状の口の先端がかむ形の口になっているのです。何故にこんなに長い形の口になっているかというと、この口はものを食べるためというよりも、卵を産むために必要な道具の役目をしているからだ、と考えられます。

ツバキの実に長い口を差し入れる

 ツバキシギゾウムシは、木にツバキの実が大きくなる季節になると、どこからともなく現れて、実にとりつくと、かじりながら頭をぐるぐる回し、からだ自体も回りながら、数分間かけて実の根元まで長い口を差し入れます。そして引き抜くと、一歩前進して、その穴に尾端から出した産卵管を差し入れて、卵を産みつけます。

 卵から生まれた幼虫は、母虫が用意してくれたトンネルを伝って実の中心にある種にたどり着くと、まだ柔らかい種の部分を食べて成長し、大きく育つと、抜け出してきて、地上に落下して落ち葉の下の土の中に潜っていってサナギになるのです。

【栗林慧さん略歴】

 1939(昭和14)年、中国・瀋陽(しんよう)で生まれ、3歳の時に父の郷里・長崎県田平町(現・平戸市田平町)に転居。父の死に伴い、50年に一家で東京へ。陸上自衛隊、保険会社などに勤務、東京綜合写真専門学校で写真技術を学ぶ。1969年、プロの生物生態写真家となり、77年に田平町に戻った。「虫の目」で見える風景を再現したといわれる医療用内視鏡を基にしたレンズを開発、センサーを利用した自動撮影装置、5万分の1秒の高速ストロボも製作し、昆虫や植物などの生態写真に新境地を開いた。国内外で高い評価を得ており、91年に西日本文化賞、92年に日本写真協会年度賞を受賞。2006年には科学写真のノーベル賞ともいわれる「レナート・ニルソン賞」を受賞した。08年には紫綬褒章。著作は「栗林慧全仕事」「The MOMENT」「昆虫の飛翔」など多数。

西日本新聞社

最終更新:4/17(火) 8:11
西日本新聞