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西武が地域密着プロジェクト始動 ベイスターズ「子どもへの野球帽72万個配布」に見る成功の秘訣とは?

4/17(火) 12:10配信

VICTORY

開幕から8連勝、最高のスタートダッシュに成功した埼玉西武ライオンズは今年、埼玉の地に誕生して40周年を迎えます。投打にわたる好調で節目の年を祝うライオンズですが、40周年を記念した地域コミュニティ事業、「L-FRIENDS」プロジェクトの一環として3月、埼玉県内30万人の小学生にベースボールキャップを贈呈しました。

ベースボールキャップ贈呈といえば、2015年に横浜DeNAベイスターズが行った一連のキャンペーンが思い起こされます。プロ野球団の地域貢献プロジェクトの意味や意義、成功の秘訣について考えます。

ライオンズが小学生に贈った30万個のベースボールキャップ

3月中旬、埼玉県所沢市立小手指小学校には、「ライオンズ・オリジナル・ベースボールキャップ」贈呈セレモニーに参加する増田達至選手会長、十亀剣投手、高橋朋己投手の姿がありました。この日のイベントでは600人を超える児童にキャップが贈呈されましたが、ライオンズでは埼玉県内の小学生30万人にベースボールキャップを贈呈、地域コミュニティ活動「L-FRIENDS」プロジェクトがスタートしました。

「これはとても良いことですね。子どもたちにとってもうれしいし、意味があることだと思います」

横浜DeNAベイスターズの前球団社長、池田純氏は、マーケティングのプロとして、ライオンズの取り組みに拍手を送ります。

ベースボールキャップ贈呈と聞いて思い出されるのは、2015年末にベイスターズが行った「5周年ロゴ入りベースボールキャップ」のプレゼント。72万個のベースボールキャップを配布したこのプロジェクトの陣頭指揮をとった池田氏は、ライオンズの取り組みに「もったいない」点があると指摘します。

マーケティングはコンセプトに基づいたストーリーの積み重ねで結実する

「良いことをしているのにそれほど話題になっていない。マーケティングの視点からいえば、ニュースに取り上げてもらえるようにしなければいけません。ベイスターズ時代の施策は、他球団から『これはやられた』と言われました。みんなが思いつきそうな企画なのに、誰もやっていなかった。それまでのファンクラブの子どもたち1万人にプレゼントといったような限られた中ではなく、地域の子ども全員に72万個を配るというのがニュースバリューになりました。ライオンズが同じ手法を採るなら、その土地ならでは、ライオンズならではの一捻りというか、工夫がないとニュースとしての価値が半減してしまうのではないかと感じます」

世界初、日本初、球界初など“初物”はそれを行うことに価値があるといいますが、後に続くならば独自色、意味や意義を明確にしなければ「やりっぱなし」になってしまう可能性もあることは、マーケティング界では半ば常識化していることです。

「繰り返しになりますが、ベースボールキャップを配るというのは良いことなんですよ。ベイスターズが72万個を配った時の単価は100円程度でした。今回のライオンズの場合、仮に単価を200円とすると、単純計算で6000万円、発送費などのコストを考えると、1億円近く使っているプロジェクトということになります。それならば、その費用に見合うだけの価値、『やっぱりライオンズはすごいな』と思わせるような仕掛けがあればより良かったのではないかと思います」

地域活性化プロジェクトにしても、ライオンズのオリジナリティ、ブランド、メッセージとどう絡めていくのかが大切だと池田氏は言います。

「マーケティングは単発でやってもなかなか伝わらないものです。もともとのコンセプトがあって、それに沿ったストーリーがあって、それらが積み重なっていくことで伝わっていくのです」

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最終更新:4/17(火) 13:28
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