ここから本文です

女性記者限定の飲み会、セクハラに関心薄い社内…財務省次官のセクハラ報道が起きる背景とは

4/17(火) 14:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

財務省の福田淳一事務次官による女性記者へのセクハラ報道を受け、4月16日、財務省は事実関係を全面的に否定する福田氏のコメントとセクハラ被害を受けた女性記者に名乗り出て調査に協力するよう呼びかける文書をホームページに公開した。

【他の写真をみる】女性記者限定の飲み会、セクハラに関心薄い社内…財務省次官のセクハラ報道が起きる背景とは

福田氏の言い分を代弁するかのような報告書を作る財務省が、被害女性に名乗り出るように呼びかける調査手法の歪(いびつ)さを指摘する声が、政府内や識者からも続出している。一方で、官僚や政治家、経営者たちを取材する女性記者が、同様のセクハラに遭う事態は「珍しくない」という声が女性記者の間で起こっている。

被害者に脅し懐柔してダメージを最小化

セクハラ問題に詳しい横山幸子弁護士も、今回の財務省の対応は一方的すぎるという。

「今回のケースで女性記者が福田さんに処罰を与えたければ、裁判を起こし音声データを全て公開するなどの必要が出てくるでしょう。セクハラの裁判は被害者が大きな誹謗中傷を受けますし、本当に負担が大きい。そうはしたくないからこのような方法を取ったんでしょうが、それを逆手に取ったかのように財務省という国の組織が、匿名で告発した女性に『名乗り出よ』と呼びかけるなんてあまりにもひどい。セクハラは対等な関係ではなく圧倒的な力関係のもとに起きますが、財務省の対応はそれを象徴しています。自分たちの権力に無自覚すぎる。女性記者の調査はすべて弁護士に委託するそうですが、客観性が担保されるのか、本当に女性に不利益がないのかも疑問です」

女性記者への調査協力依頼は記者クラブの加盟社に宛てたもので、財務省のホームページに掲載しなくとも配布ルートはある。事務次官の聴取結果と合わせて省庁のホームページに公開した意図は何なのか。Business Inside Japanでは、その背景を財務省に聞いているが、まだ返答はない。

そもそもセクハラの認識について、福田氏や財務省の認識に不安もある。福田氏は「女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」としている。

「音声データを聞く限り、明らかなセクハラ発言です。しかも女性が『だめです』『やめてください』と拒絶しているのに言葉を重ねている。セクハラを『言葉遊び』というのは問題の矮小化ですし、ある種の接客業の女性に対してはそのような発言も許されると取られかねない発言で、大きな問題だと思います」(横山さん)

セクハラが被害者の告発によって可視化されたとき、今回のように告発された側が「名誉毀損」を理由に訴訟を起こすと言ったり、被害者(告発者)探しを始めるのは一般企業でも行政組織でもよくあるという。告発された側は自身のダメージを最小限に抑えるために被害者を脅したり懐柔したりさまざまな方法をとるが、最も多いのは加害者サイドやその周辺人物からの人格攻撃だ。

横山さんが2017年に担当した栃木県小山市議会前副議長のセクハラを市の女性職員が訴えた際も、別の地方自治体職員の裁判でも、「普段から仕事をサボっていた」「エッチな漫画を読んでいた」など被害者女性が不利になるような証言をした人が多かったという。

1/2ページ

最終更新:4/17(火) 15:04
BUSINESS INSIDER JAPAN