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「女性記者へ脅し」次官セクハラ疑惑で異例の財務省調査 識者、被害申告依頼を批判

4/17(火) 11:50配信

西日本新聞

 複数の女性記者へのセクハラ疑惑が浮上した財務省の福田淳一事務次官について、同省は16日、同省記者クラブ加盟社に対して調査への協力を依頼した。次官からセクハラを受けた人がいれば「調査への協力をお願いしたい」と申告を促す異例の内容。「(協力者に)不利益が生じないよう責任を持つ」と記すが、識者からは「仮に被害が事実だった場合、女性が手を挙げられるのか」などの批判が出ている。

 調査協力の依頼文は、次官への聴取結果とともに同省のホームページでも公表され、委託した弁護士事務所の連絡先が記されている。

 企業でのセクハラ問題に詳しい松尾佳子弁護士は「『名乗り出て』とする手法は乱暴だ。弁護士を入れたことは評価できるが、それでも被害者からすれば相手方の弁護士だ」と指摘する。

「単なる威圧でしかない」

 セクハラ被害を訴える人の多くは、仕事を続けられなくなるかもしれないという不安に陥る。松尾弁護士は、福田氏への聴取結果で、疑惑を報じた「週刊新潮」を名誉毀損(きそん)で提訴する考えを示したことに触れ「なぜ女性記者に協力を求める文面に、裁判への言及があるのか。単なる威圧でしかない」と語気を強めた。

 同誌によると、福田氏は森友学園問題に関するコメントを求めた女性記者などに「キスしていい?」「ホテル行こう」「おっぱい触っていい?」などの発言を連発したとされる。新潮社は記事の裏付けとしてセクハラ発言の音源とするデータも公開した。

 性被害者の支援に携わる弁護士は「疑惑が本当であれば、人格を否定された女性は深く傷ついているはずだ」とおもんぱかり、音声データの声紋鑑定を行うよう提案する。セクハラの被害に遭った患者を治療してきた堀川百合子さん(精神科医)は「被害者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、職場や家族で孤立するケースも多い」と説明する。

「差別意識が透ける」

 福田氏は女性記者とのやりとりを否定する一方で、女性が接客する店に行って「お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」とも話したという。「お店の女性」ならば問題ないかのような発言について、佐藤直樹九州工業大名誉教授(世間学)は「『そういう女性だからみだらなことを言っていい』という差別意識が透ける」と強調する。

 協力依頼が財務省の記者クラブ加盟社に行われたことについて、佐藤氏は「女性記者に対しては名を名乗れと脅し、記者クラブには『こうなるんだぞ』とくぎを刺したつもりなのだろう」と分析した。

=2018/04/17付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:4/17(火) 12:17
西日本新聞