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「朝鮮学校差別は私たちの問題」補助金再開訴え声明

4/17(火) 6:03配信

カナロコ by 神奈川新聞

【時代の正体取材班=石橋 学】神奈川県をはじめ各自治体が朝鮮学校への補助金を停止している問題で、埼玉県の市民団体は16日、埼玉朝鮮初中級学校(さいたま市)の補助金再開を同県に求める声明を発表した。すべての子どもに保障される学ぶ権利が侵害されている現状は「私たちの社会のあり方を問うている」と指摘。差別を容認している日本社会の問題として解決すべきだと提起している。

 「誰もが共に生きる埼玉県を目指し、埼玉朝鮮学校への補助金支給を求める有志の会」は同県で人権や障害者支援、貧困問題、多文化共生の実現などに取り組む多様で幅広い292の個人・団体で結成。声明は、拉致問題などを理由にした補助金停止を「朝鮮学校の子どもたちとは何ら関係のない外交政治上の理由を持ち出す不当な差別」と非難。「互いの違いを認め合い、誰もが差別されることなく共に生きられる魅力的な埼玉県にするため」補助の再開を求めている。

 埼玉県庁で会見した共同代表の渡辺雅之・大東文化大准教授は2010年から続く補助金停止という公の差別が「朝鮮半島にルーツを持つ人は差別されても仕方がないという差別を市民レベルでも後押ししている」と指摘した。09年に同県蕨市でフィリピン人一家の排斥を叫ぶヘイトデモを「原点」に差別扇動を主導してきた桜井誠氏が今年3月、相模原市内の講演で極右政治団体「日本第一党」党首として在日コリアンの虐殺を公言したことにも言及。「差別が繰り返されるうち、障害者、女性、生活保護受給者へと差別が拡大し、誰もが暮らしやすい公平な社会が破壊される。迫害までが公然と語られる社会情勢にあって、差別を見過ごしているこの社会の全ての人が当事者となっている問題だ」と訴えた。

 呼び掛け人の一人で生活困窮者支援に取り組むNPO法人ほっとプラスの藤田孝典代表理事も、横行する生活保護受給者へのバッシングに「一つの差別を許せば、別の人も差別してよい、命を軽視してよいと、差別が拡大再生産されていく。貧困問題にかかわってきた立場からも、差別を許容する社会の風潮に危機感を持つ」と警鐘を鳴らす。県民の一人として「誰もが教育を受ける権利や生存権が脅かされることのない埼玉県を一緒に実現したい。同じ社会に暮らす子どもが国籍の違いや多様な生き方を選択した結果、不遇を受けることのない社会をつくるのは大人の社会的責任だ」と強調した。

 3人の子どもを埼玉朝鮮初中級学校に通わせる保護者も思いを語った。

 「学校の財政が厳しい中、先生は愛情をもって朝鮮の言葉や文化を教え、子どもたちも先生を尊敬、信頼し、目を輝かせて勉強している。そんな姿に私たちの学校を守らなければと強く思う。どうか、子どもたちの夢や希望、明るい未来を奪わないでほしい。埼玉が差別や偏見のない、子どもたちの未来を大切にする先駆者になるよう切に願う」

 会は今後、この日実現しなかった上田清司知事への面会を求めると同時に、学習会や朝鮮学校との交流イベントへの参加を「埼玉にゆかりのある全ての人」に呼び掛けていく。