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皮膚をむしばむ感染症、オーストラリアで患者急増 原因は不明

4/17(火) 10:55配信

CNN.co.jp

(CNN) 通常は西アフリカや中央アフリカで発生する感染症の「ブルーリ潰瘍(かいよう)」が、オーストラリアで流行の兆しを見せている。専門家らは16日、同国の医学誌に発表した論文で、同疾患の流行に対して緊急対策を急ぐ必要があると指摘した。

ブルーリ潰瘍の症例数は、数年前からオーストラリア各地で増え始め、特に南東部のビクトリア州(州都メルボルン)で患者が急増。症状も重症化して、新たな地域に感染が広がっているという。

2016年に新たに報告された症例数は、72%増の182例に上り、16年11月から17年11月までの1年間では、156例から236例へとさらに51%増えた。

ブルーリ潰瘍はマイコバクテリア菌によって引き起こされ、皮膚や組織に重度の病変を生じさせる。細菌が自然環境にどのような形で存在していて、人から人へどう感染するのかは分かっていない。

アフリカでは、沼地の近くに居住するなど、水辺環境に関連した感染者が大半を占める。しかしブルーリ潰瘍に詳しいフランスの専門家によると、オーストラリアでは、蚊やポッサムなどが媒介している可能性もあるという。

重症化している原因も不明だが、細菌が抗生剤に対する耐性を持っている可能性もあると専門家は指摘する。

ビクトリア州で初めて患者が確認されたのは1948年。しかし世界保健機関(WHO)によれば、同地の患者数は2013年から急増し始めた。

ブルーリ潰瘍の原因となるマイコバクテリア菌は、皮膚に入り込むと増殖して毒素を生成する。まず患者の皮膚に痛みを伴わない小さな発疹ができ、やがて傷口が開いて潰瘍になる。中には骨にまで達し、身体が変形してしまう場合もある。

死亡例も報告されているものの、ほとんどの場合、死に至ることはなく、抗生剤で治療すればほぼ100%治癒するという。

しかし治療が遅れると、手足の切断や形成手術が必要になる場合もある。オーストラリアの専門家によれば、現在の抗生剤治療で手術を防ぐことができているのは、患者の40%のみ。「新型の抗生剤や、照準を絞った抗毒素治療が必要とされている」という。

2017年に世界で報告されたブルーリ潰瘍の症例数は2206例と、16年の1920例より増加した。その大半は、オーストラリアとナイジェリアの患者だった。

感染経路が分からないことから、予防対策は確立されていない。オーストラリアで症例が増えている原因も不明だが、環境汚染や外傷が関係する可能性のほか、蚊やポッサムが媒介する可能性も指摘されている。

家族での集団感染も一般的に見られるものの、人から人への感染は確認されていないという。

傷口を修復するために形成手術が必要になる症例も多く、患者1人当たりの治療費は平均で1万4000オーストラリアドル(約117万円)に達している。

最終更新:4/17(火) 10:55
CNN.co.jp