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「ホルモンバランスの乱れ」という言葉にごまかされないで!

4/21(土) 11:06配信

BuzzFeed Japan

産科を扱わない小さな私の婦人科クリニック。受診される方は、思春期から更年期まで月経のトラブルを抱えた方が大半を占めます。

月経のトラブルは、月経に伴う症状(月経随伴症状)の異常と月経周期の異常の大きく分けられます。

前者には月経痛や過多月経(経血量が多い)や月経前症候群(PMS:pre-menstrual syndrome)などが、後者には月経が順調にこない月経不順や3ヶ月以上月経が止まってしまう無月経が含まれます。

前者は自覚症状がつらく、学校や職場で周囲の人が気づいて受診を勧めてもらえることも多いのですが、後者の月経不順や無月経はなかなか深刻さが認識されにくいのでしょうか?

「このくらいは大丈夫」と受診しない人も多いですし、せっかく受診しても医療職から「今妊娠を望んでいないなら問題ないから様子を見て」などといわれてしまうことも少なくないようです。

今回は、月経不順や無月経をなぜ放置しないほうがいいか、について説明しようと思います。【寄稿:江夏亜希子・産婦人科医】

「ホルモンバランスの乱れ」という思考停止ワード

私のクリニックでは「ゆっくり時間をかけて完全予約制で診療を行う。特に初診には1時間以上確保する」というのを特徴・こだわりにしています。

それを明示しているためか、「他の医療機関を何軒か受診したけれど、改善しなかった」「説明がよくわからなかったので不安」と転院を希望して来られる方が少なくありません。

その場合、これまでに受診した医療機関でどんな診察、検査を受け、何と診断され、どんな治療を受けてきたのかを詳しく伺います。「月経不順の原因は何と言われましたか?」と尋ねると、ほとんどの患者さんがこうおっしゃいます。

「『ホルモンバランスの乱れ』といわれました」

そもそも、ホルモンバランスが整っていれば月経はちゃんとくるはずですから、大切なのは「何が原因でホルモンのバランスが乱れたのか」であるはずです。

医師はそれを突き止めて治療をするのが本来あるべき姿なのですが、その原因を聞いても患者さんは「きょとん」とするばかり。多くの患者さんがそれ以上突き詰めて考えることがない、いわゆる「思考停止ワード」になっているように思えます。

転院希望で当院に来られる方には、元の医療機関から紹介状を書いてもらうようお願いしています。ところが、原因を突き止める検査がされていないケースのほか、検査データで原因がわかっているのに、きちんと説明がなされていないケースも散見されます。診療にあまり時間をとれない医師側もその言葉を便利に使ってしまっているのではないかと、自らを省みつつ、いつも危惧しています。

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最終更新:4/21(土) 11:06
BuzzFeed Japan