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ローストビーフに食中毒の可能性!? 妊娠などハイリスクの人たちは注意を

4/24(火) 15:30配信

BuzzFeed Japan

女優さんのインスタ投稿が騒ぎに

先週、妊娠中の女優、佐々木希さんがinstagramに、共演中の方々と共にローストビーフを食べたことを投稿し、SNS上で大きな騒ぎとなりました。

「食べないで」というコメントがある一方で、「表面が焼かれているから大丈夫」「妊婦だけど、生もの気にせず食べています」などの意見もあり、両論併記的に取り上げるウェブメディアも現れて大混乱です。

科学的な正解は、「確率は低いけれど、肉の内部にまで入り込んでいる寄生虫が不活化していない可能性があるので、妊婦は食べない方がよい」です。

食中毒防止の方策は、食品や原因(菌やウイルス、寄生虫などの種類)により大きく異なります。もう一つのポイントは、食べる側が、感染した時に重症化しやすく深刻な影響を被るハイリスクグループであるかどうか、です。

食中毒の原因となる微生物は実は、環境中にごく普通にいて、口にすることも少なくないのです。健康だと症状が出ないことも多く、気付かないまま。しかし、妊娠中はホルモンバランスが変化し、免疫機能の低下も起きていて食中毒を発症しやすくなっています。高齢者、乳幼児や病気の人などもハイリスクグループで、発症しやすくなっています。

食中毒に関する主な注意点を、整理してお伝えしましょう。
【寄稿:松永和紀・科学ジャーナリスト】

<寄生虫(トキソプラズマ)>  妊婦の感染は流産、子どもの障害にもつながる恐れ

ローストビーフで心配されるのは、トキソプラズマという寄生虫です。哺乳類の中枢神経系や筋肉内にいます。幅3μm、長さ5-7μm(1μmは、1万分の1cm)という小ささで、肉を食べることにより感染が起きます。

トキソプラズマは、豚や羊に比較的多いとされ、牛では少ないそうですがゼロとは言えません。トキソプラズマは67℃以上での加熱、あるいは55℃で5分以上加熱することで不活化する、という報告があります。一方、ローストビーフは調理によってかける温度や時間に違いがありますが、一般的に中心部が52℃~63℃程度になるように焼きます。

飲食店は適切に焼き上がるように努力していると思いますが、場合によってはトキソプラズマが不活化していない恐れもあります。


感染しても症状が出ない人が多いのですが、頭痛や軽い発熱を起こす場合があります。病気などにより免疫系が弱くなっている人など、ハイリスクグループはとくに注意。肺炎やリンパ節炎などになりやすく、死亡例もあります。

妊婦で怖いのは、トキソプラズマが胎盤を通して胎児に移行し、影響を及ぼすこと。脳に障害をおったり、流産や死産などになったケースも報告されています。

もし牛肉の中にトキソプラズマがいて、不十分な加熱により死んでいなかったら......と心配になってしまうのです。

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最終更新:4/25(水) 12:34
BuzzFeed Japan