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家賃滞納の「過酷過ぎる現場」 部屋にいたのは、カップ麺をかじる子どもたち…働きたいけど働けない理由

4/30(月) 7:00配信

withnews

 家賃を滞納する人が増えています。司法書士の太田垣章子さんは、これまでのべ2千人以上と交渉してきました。強制執行で入った部屋にいたカップラーメンを「かじる」子ども。精神疾患で働けなくなった夫婦。太田垣さんは、滞納の背景には貧困化する日本社会の縮図があると言います。家賃滞納の現場について聞きました。(朝日新聞文化くらし報道部記者・田渕紫織)

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部屋に子どもだけ、カップラーメンバリバリ

 ――「滞納の現場は日本の貧困の縮図」とおっしゃっています。

 「10年ほど前に強制執行で入った現場で、電気も水道が止まった中、3、4歳の子どもがカップラーメンの麺をバリバリかじっていました」


 ――子どもだけが部屋に?

 「住民票や戸籍を見ても、子どもがいるとは記載されておらず、無戸籍でした。両親はおらず、急いでお弁当を買ってきましたが、言葉が通じませんでした」


 ――他にはどのような経験がありますか?

 「別の現場では、部屋に入ると小部屋に分かれていて、いる人は『ホームレスとして公園で野宿していたとき声をかけられ、ここに住めるようになった』と話していました。台所には入居者と異なる、様々な名字の印鑑が。『いわゆる貧困ビジネスだ』と思って見ていました」

働けない理由、聞いてみると……

 ――滞納者の中には、働きたくても働けない人もいるのでは。

 「現場で、精神疾患とみられる若者にもよく会います。緊急連絡先にある親に連絡すると『どうしたらいいんでしょうか』『私たちの育て方が間違っていたのでは』と逆に相談されることも。本人が幼少期の段階でサポートを受けられていればと何度も思いました」


 ――心の病気は目に見えないことが多いですよね。

 「20代で滞納していた夫婦は『僕たち、躁鬱(そううつ)病なんです』と話していました。夫はうつ状態になってしまうと仕事を休みがちになり、仕事を辞めざるをえなかった。妻は妊娠していました」


 ――どのような交渉をされたのですか?

 「互いの親のもとまでついていき、『何とか二人に協力していただけませんか』と頭を下げました。それでも平行線で、何度も一緒に役所に通い、やっと生活保護の申請が通りました」

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最終更新:4/30(月) 10:43
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