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漫画村問題:海賊版サイトブロッキングに代案はあるのか? インターネット事業者らが提言

4/25(水) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

4月13日に内閣府が発表した、「漫画村」「Anitube」「MioMio」などの海賊版サイトへの緊急対策案。

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これを受けて、情報法制研究所(JILIS)とインターネットコンテンツセーフティ協会(ICSA)が共催で、同対策についての緊急提言シンポジウムを開いた。

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「2年以上の議論が実感できない」ほどの急展開

シンポジウムでは、政府の発表に対して、インターネット事業者側から抗議の声が上がった。

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)客員研究員の楠正憲氏は、サイトブロッキングの議論に対して「検討会に権利者サイドの人しかおらず、ちゃんと調べて議論していない。なし崩し的に決まっている」と指摘した。

政府の知的財産戦略本部の委員会のメンバーである中村伊知哉氏は「海賊版のサイト対策は知財本部の委員会で2年以上に渡って議論が行われてきた」と述べた一方で、インターネットコンテンツセーフティ協会(ICSA)理事の丸橋透氏は、「(2年以上の)議論がISP側としては実感できないままここまで来てしまった」と語った。

「権利者は何もやっていない」は本当か?

出版社による海賊版対策がどの程度まで行われていたかにも、話は及んだ。

国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)客員研究員の楠正憲氏は、ブロッキング対象として指定されたうち「漫画村」「Anitube」のコンテンツが日本国内から配信されていたことに触れ、プロバイダー責任制限法(総務省資料を参照)に基づき、情報開示請求やコンテンツの削除申請といった対策を取ることができたのでは、と述べた。

東京大学教授の玉井克哉氏は、「(公開された資料の)被害額が3000億円というのなら、その1%を使って出版社側が対策を講じられないのか。権利者がどこまで本気なのかが見えないうちに政治が動くのは良くない」とした(玉井氏は日本音楽著作権協会(JASRAC)の外部理事でもある)。

これに対して、著作権問題に詳しい村瀬拓男弁護士は「出版社が何もやっていないと言われるが、そんなことは全くない」と反論した。

村瀬弁護士によると、アメリカのデジタルミレニアム法(DMCA法)に基づき、多い出版社であれば1社当たり月に約4万件ほどの削除申請をしている。違法コンテンツを流すコンテンツ配信ネットワーク(CDN)サイトにも削除申請・開示請求は行われており、訴訟の検討もしたという。

「漫画村」のコンテンツを配信していた「Cloudflare(クラウドフレア)」を日本で訴えることができたのでは、との問いに、村瀬弁護士は「検討はしていたが、その結果を実行する前に政府の決定が発表された」とした。

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最終更新:4/25(水) 12:10
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