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衣笠さん死去 岡山県内で惜しむ声 「気配りの人」「ヒーロー」

4/25(水) 0:23配信

山陽新聞デジタル

 プロ野球広島で中軸打者として活躍した衣笠祥雄さんが23日夜に上行結腸がんのため東京都内で死去した。71歳。京都府出身。関係者が24日、明らかにした。

 プロ野球記録となる2215試合連続出場を果たし「鉄人」の名で親しまれた衣笠さん。赤ヘル軍団の黄金期を築き、国民栄誉賞にも輝いた“球界のレジェンド”の訃報が伝わった24日、岡山県内では熱烈なファンやゆかりのある人たちが早すぎる死を惜しみ、思い出をたどった。

 「大スターなのに偉ぶることなく、優しくて気配りの人だった」と語るのはカープ岡山県中央後援会長の飯塚博是さん(72)=岡山市中区。6度目のリーグ優勝を目前にした1991年秋、駆け付けた名古屋での中日戦が雨で中止に。帰途の名古屋駅では同じく試合を見に来ていた衣笠さんと偶然出会い、記念写真に納まってくれたという。

 当時は元選手。とはいえ、ファンの気持ちを察し「何かお土産があった方がいいんじゃない?」と隣に座ってくれた時の気さくな笑みは忘れられない。新幹線をバックにしたツーショットは引き延ばして額に入れ、岡山市で営む居酒屋の壁に掲げている。

 岡山市内でお好み焼き店を営む沖田良文さん(55)=玉野市=は広島にいた小学生の頃、近所の衣笠さん方を何度も訪ね、家族を通じてサインをもらった。ある日、たまたま出会えた衣笠さんは「君がいつもの子か」と近くの公園でキャッチボールに誘ってくれたといい「まさにヒーロー。欲を言えば『衣笠監督』を見たかった」。

 備前焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)だった故藤原雄さんを父に持ち、雄さんの時代から30年以上親交がある備前焼作家、藤原和さん(59)=備前市。96年、大リーグのカル・リプケン選手が連続出場記録を更新した試合に招かれた衣笠さんが、球場でのセレモニーで雄さんの板皿を贈ったエピソードはよく知られている。「1月に東京で開いた個展に訪ねてきてくださり、壺(つぼ)談議をした。食事も酒もたくさん召し上がっていたのに…」と言葉をなくした。

 元プロ野球選手でカープで共にプレーした経験がある関西高硬式野球部の福嶋久晃ゼネラルマネジャー(71)は「人の2倍、3倍の練習は当たり前。キャンプでは一番最後までバットを振り、どんな時も痛いと言わなかった。後輩の面倒見もよく、スーパースターであり、人格者だった」と話した。