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トヨタが東京の直営ディーラーを再編  カーシェアリングに備える

4/27(金) 15:30配信

ニュースソクラ

全国のトヨタディーラーや他メーカーにも影響か

 トヨタ自動車が東京都内の直営ディーラーの再編に乗り出した。トヨタは2019年4月1日に100%子会社のトヨタ東京販売ホールディングス(TSH)と、TSH100%子会社の東京トヨタ自動車、東京トヨペット、トヨタ東京カローラ、ネッツトヨタ東京のディーラー4社を「融合」し、新会社を設立すると発表した。「融合」の詳細は、今後 1年間かけて検討するという。トヨタの直営ディーラー再編は、全国のトヨタディーラーのほか、他メーカーにも影響を与える可能性がある。

 トヨタは同じTSH100%子会社でも、多摩地区が地盤のトヨタ西東京カローラを地元資本のネッツトヨタ多摩へ2018年9月をめどに譲渡するとも発表した。これは都心23区と多摩地区の直営ディーラーをグループ分けした格好だ。

 今回の再編について、トヨタは「従来の『チャネル軸』から『地域軸』主体へと体制や働き方を見直すことで、各地域のお客様・行政・他企業との連携強化や、新たなモビリティサービス提供によるビジネスモデル変革への挑戦を進めていく」と説明している。

 トヨタによると、東京都心は公共交通機関が発達し、クルマの「保有」からカーシェアリングなどの「利活用」へのシフトが進みつつあり、またメルセデス・ベンツなど輸入車シェアが高いプレミアム市場の激戦区となっている。一方、多摩地区など郊外は引き続きクルマを保有したカーライフが中心で、「東京の中でも地域によって様々なクルマの使い方がある」という。今回の再編は「こうした東京ならではの地域課題に取り組む『東京ReBORN』を推進するための体制作り」という。

 TSHと直営4ディーラーを融合して設立する新会社は、トヨタ事業を統括するトヨタ本部、レクサス事業を統括するレクサス本部で構成する。慣れ親しんだトヨタディーラー4チャネルは「当面は維持する」としているが、将来的には再編の可能性もある。

 トヨタ国内販売事業本部長の佐藤康彦専務役員は新会社設立について「全国最大のマーケットであり、お客様のニーズの変化が日本で最初に起こると想定している東京で、直営店が全国の先頭に立ってチャレンジしていく」と語る。具体的には、1)最新のIT技術を活用した新しい店づくり、2)全チャネルのクルマを扱う共同店舗、3)シェアリングサービスの開始、4)高齢者向けのモビリティサービス、5)法人向けの新サービス――などに取り組む考えを表明している。

 自動車メーカーの国内ディーラーは、トヨタがトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店、レクサス店の5チャンネルで販売車種を棲み分けてきた。トヨタ系では2004年にビスタ店がネッツ店と統合してから再編はなかった。日産自動車は、かつて日産店、日産モーター店、日産サニー店、日産プリンス店などがあったが、1999年にブルーステージ店とレッドステージ店に再編した。ところがユーザーに浸透せず、全車種を販売する日産店、日産プリンス店など現行ディーラーに戻した経緯がある。トヨタが東京で取り組む直営ディーラーの再編は実験的な要素が多く、その行方が注目される。

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

最終更新:4/27(金) 15:30
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