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そこにあるのに触れない!?──裸眼で360度立体視できる映像技術、NTTと東北大開発

4/28(土) 17:12配信

ITmedia NEWS

 円形テーブル状のスクリーンに投映される自動車。テーブルの周りを歩くと、見る角度によって投映された物体の見え方も変わり、あたかもそこに実物があるかのような立体視の感覚を得られる。そんな技術を、NTTがニコニコ超会議2018(千葉・幕張メッセ、4月28日~29日)で展示している。

円形テーブル上部に同心円状に配置されたプロジェクターとスピーカー

 ニコニコ超会議2017で展示していた「初音ミク」の立体映像技術を応用したもの。超会議2017の際には26台のプロジェクターを直線に並べてスクリーンへ投映したが、今回は円形テーブルを囲むように、同心円状に60台のリコー製プロジェクターを配置した。

 1.2メートルの円形テーブルにはシート状のレンズとして本を読む際のルーペにも使われる「フレネルレンズ」を3層重ねて敷き、各プロジェクターからの映像をフレネルレンズ上に結像させることで立体映像を実現しているという。フレネルレンズを使用した映像スクリーンは、東北大学大学院工学研究科が開発協力した。

 プロジェクターの上にはスピーカーを60台配置。60台のスピーカーを協調的に動作させることで、視聴者はあたかもテーブル上の物体から音が出ているかのように錯覚する。

 使用したプロジェクターの解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)というが、そこまで精細な印象はない。これについてブースの担当者は「ブレンディングという、映像をややぼかすような処理を施している。ブレンディングすることでプロジェクター間の中間の視点映像を補完でき、少ないプロジェクター数で立体映像を実現している」と説明した。

 視力が悪く、メガネをしている人の場合は「メガネを外して見てみると、映像がぼけてより立体感が得られる」とのアドバイスも。記者も実際にメガネを外して見てみたが、確かに細かいズレなどが分からなくなり、より立体的になった印象だった。

 立体感を持たせつつ解像度を上げるには、プロジェクター自体の解像度の向上はもちろん、キャリブレーションの精度向上も必要だという。ニコニコ超会議2018への設置にも「かなりの時間をかけた」と苦労を明かす。

 技術の応用にはまだ課題があるが、今後は野球やサッカーの俯瞰的な中継や観賞などに活用できそうだ。

最終更新:4/28(土) 17:12
ITmedia NEWS