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匿されし北朝鮮の最高綱領 補足(1)金日成―金正日時代の「旧十大原則」の前文 解説石丸次郎

4/30(月) 22:44配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

◆北朝鮮の全社会をを縛る鉄鎖=「十大原則」

前回(2018年2月末から3月)、金正恩体制において憲法も労働党規約も超越する最高綱領=「党の唯一的領導体系確立の十大原則」の全文を紹介した。

「唯一的領導体系」とは、たった一人の領導者だけが北朝鮮社会をあまねく指導し、あらゆる決定権限を持つとするシステムである。要するに、全国民、全組織に絶対的で徹底した忠誠と服従を強いるために作られたシステムであり、「十大原則」は、まさにこの個人独裁を担保・貫徹するための規約で、北朝鮮社会に暮らす全ての人と、全ての組織、制度、政策を縛る「鉄鎖」である。

最初に「十大原則」が策定されたのは1974年4月。金正日が発表した「党の唯一思想体系確立の十大原則」(以下、旧「十大原則」)である。これを基に、新しい領導者金正恩に合わせて2013年6月に改定されたものが新「十大原則」だ。

旧「十大原則」が作られた1974年、金日成は62歳であり、為政者として絶頂期にあった。「十大原則」の中で金日成は、抗日革命闘争を勝利に導き、主体革命思想を創始し、唯一人の領導者たる首領と位置づけられていた。他方、金正日は「党中央」の呼称で旧「十大原則」の中に現れている。いわば、金正日は金日成のいわば「代理人」という位置づけである。

つまり金正日は、父金日成の独裁を絶対化する作業を通じて、自己の後継者としての地位を確固たるものしたのであった。この時から20年間、北朝鮮社会では、「偉大なる首領金日成同志」と「親愛なる指導者金正日同志」という二つのリーダーシップの混在期間が続く。この間に金日成は徐々に神格化、象徴化が進み次第に非世俗的存在になっていった。そして実際の執務範囲と権限が「代理人」たる金正日に移行していったことはよく知られている。

金正恩時代の絶対独裁システムを理解するためには、その礎となった旧「十大原則」に遡ることが必要だ。全文を掲載する。なお、この全文は北朝鮮国内の取材パートナーが撮影した原本の全ページの写真を、忠実に書き起こして翻訳したものである。(石丸次郎) 本文:4,599文字 この記事の続きをお読みいただくには、アジアプレス・ネットワークの購入が必要です。

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