ここから本文です

エスカレーター「片側空け」を廃止へ 広州地下鉄

4/30(月) 19:25配信

東方新報

【東方新報】中国のラッシュアワーのエスカレーターで、右側に人が立ち、左側は急ぐ人のために空けるという光景を目にすることが増えた。いつから「片側空け」がマナーとして見られるようになったのか。

 広東省(Guangdong)広州地下鉄グループは、今後は片側空けを提唱しないと発表した。片側を空けることによって、エスカレーターの片側だけに負荷がかかり、エスカレーターの寿命を縮めているという。また、安全面からもエスカレーターを歩くべきではないとし、「急いでいるなら階段を使ってほしい」という。

 北京地下鉄でも片側空けを提唱していた時期があったが、現在は「きちんと立ち、手すりにつかまる」ことを推奨している。しかし、多くの市民は無意識に片側を空ける習慣がついてしまっている。専門家は、「地下鉄事業者が宣伝と教育を強化するべきだ」と見ている。

 ■95%で摩耗状態に偏り

  広州地下鉄グループは、今回の発表はエスカレーターの日常点検から問題点をまとめた結果だと説明している。「片側空けを提唱しないのは、エスカレーターへの負荷を均等にするためだ」という。

 日常点検の結果、約95%のエスカレーターの右側が左側に比べて摩耗が激しいことがわかった。こうした摩耗がもとで、エスカレーターの軽微な傾斜や踏み板の吸い込み口の摩擦を引き起こし、エスカレーターの寿命に影響を及ぼすという結論に至ったという。

 エスカレーターは、設計の段階で長時間の不均衡な圧力に耐えられるように配慮されているが、片側空けは確かにエスカレーターの一部に過多な重量と圧力がかかってしまい、頻繁に故障する可能性がある。

 ■「片側空け」提唱取りやめ各地で相次ぐ

 片側空けはかつて「マナー」として推奨されていたが、近年では国内外の多くの都市で取りやめの動きが起こっている。

 中国で最も早く片側空けが広まったのは、香港だった。香港(Hong Kong)の地下鉄には階段がなく、エスカレーターだけだったため、急いでいる人のために片側を空ける習慣が広まったとされている。

 しかし香港城市大学(City University of Hong Kong)建築科の蘇廷弼(Su Tingbi)助教授は2006年、エスカレーターで歩いても数秒しか節約できないばかりか、「両側に人が乗った方が密度を高くできる。これに対し、歩くために乗客同士の距離を大きく取らなければならなくなる」として、片側を空けることで人の運送効率を上げることはないと文献で発表している。

 香港鉄道は、2010年から「しっかりと手すりにつかまり、みだりに動かない」ことを呼びかけるようになった。

 また上海市(Shanghai)でも、上海国際博覧会の開催期間中に限り片側空けを推奨していたが、エスカレーターの歩行はやはり安全上の問題があるとして、上海軌道交通運営管理センターは2012年から片側空けの張り紙などを撤去した。南京市(Nanjing)地下鉄も、2016年から片側空けを提唱することをやめている。

 海外では、カナダのメディアで2006年トロント交通委員会が片側空けの危険性を説明し、片側空けを呼びかける注意書きを撤去した。日本や韓国でも、片側空けを提唱していないという。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:5/2(水) 17:00
東方新報