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韓国の15倍になる北朝鮮の鉱物資源、「環東海ベルト」に乗って南へ

5/2(水) 17:16配信

ハンギョレ新聞

「新南北経済協力時代」開かれる 資源エネルギーにシナジー効果を期待

 「10・4首脳宣言(2007年)の履行と経済協力事業の推進に向けた南北共同調査研究作業が始められることを願う」。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が27日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と一緒に板門店(パンムンジョム)首脳会談の結果を発表した際に述べた言葉だ。板門店宣言文にはないが、「南北共同調査研究」を金委員長との単独対話の席で交わしたと推測される。「10・4首脳宣言」は「南北間の資源開発を積極的に推進する」という内容を含んでいる。今回の会談で、文大統領は金委員長に「朝鮮半島新経済構想」資料をUSBメモリーに入れて手渡した。両首脳が朝鮮半島の新経済に向けた最初の出発として、南北共同調査研究を本格的に遂行しようという共感が築かれたものと見られる。

 南北共同調査が行われる主な対象としては、北朝鮮地域の鉱物資源埋蔵量の探査が一番先に挙げられる。2003年から約7年間、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に本格化したが、2010年から全面中断された北朝鮮の鉱物資源経済協力事業は、朝鮮半島の新経済地図に主要な内容として再登場する。2017年7月、文大統領の「ベルリン平和構想」に登場した朝鮮半島の新経済地図上の3つの南北経済協力ベルト(環東海経済ベルト、環黄海経済ベルト、休戦ライン接境の地帯平和ベルト)のうち、東海経済ベルトは北朝鮮の端川(タンチョン)の鉱山地帯と清津(チョンジン)の太陽光・風力新再生エネルギー団地を明示している。東海岸線に沿って北に豆満江(トゥマンガン)付近までのぼる環東海ベルトは、無尽蔵な北朝鮮の鉱物およびエネルギー分野に韓国の“協力的”資本・技術が入る「資源協力ルート」だ。

420兆~760兆円の価値の「黄金の地」  
2010年から途絶えていた埋蔵量探査から  
南北共同調査研究の再開に共感 
北朝鮮、タングステンなどの保有量は世界10位圏  
端川は鉱山40カ所の密集地帯  
黄海道の黒鉛鉱山には南北合弁投資 
鉱物88.4%を輸入する韓国に道開けるか 
鉱山開発を支える電力供給の解決が課題

 北朝鮮は鉱物資源の宝庫だ。鉱物資源公社は北朝鮮に埋蔵された主要鉱物資源の潜在価値を3兆9千億ドル(約420兆円)程と推定する。韓国に残存する地下鉱物資源の約15倍に達する規模だ。年間総輸出額の半分ほどが鉱物資源である北朝鮮経済で、鉱物は初期経済跳躍でかなりの経済的乗数効果をもたらすことができる資源だ。米オンライン経済専門メディアの「クォーツ」は「北朝鮮には約7兆ドル(約760兆円)に達する手つかずの鉱物がある」とも分析した。これとは別に、北朝鮮資源研究所は北朝鮮の鉱物資源の潜在価値が6兆2千億ドル(約670兆円)に達するものと推算している。資源開発に先立ち、北朝鮮の鉱物資源の賦存量と状態を南北が共同で精密調査を行う探査作業が先行されなければならないということだ。文大統領の言う共同調査研究の必要性は、これを念頭に置いたものと見られる。

 北朝鮮地域には鉄鉱石や無煙炭、マグネサイト、黒鉛など220種以上の鉱物資源が埋もれており、銅や亜鉛など経済性のある鉱物だけでも、約20種が分布するものと把握されている。タングステンやモリブデンなど希少金属や黒鉛、銅、マグネサイトなどの賦存量は世界10位圏と推定される。鉱物資源開発協力の候補地としては咸鏡南道の端川(タンチョン)が真っ先に挙げられる。端川は約40カ所の鉱山が半径100キロメートル内に密集している国際的規模の北朝鮮最大の鉱山地帯で、2007年に鉱物資源公社が投資環境の現地実体調査(検徳(コムドク)鉛・亜鉛鉱山、大興(デフン)マグネサイト鉱山、龍陽(リョンヤン)マグネサイト鉱山)を展開した所だ。北朝鮮の鉱物資源経済協力は2003年以降、小規模ではあるが多くの地域で推進された。黄海南道鄭村(チョンチョン)黒鉛鉱山は鉱物資源公社が2003年から北朝鮮のミョンジ総会社(民族経済協力連合会傘下)と合弁投資・生産をしてきたが、2010年から全面中断された状態だ。イム・ユング鉱物資源公社次長(南北資源協力室)は「2003年に南北共同資源開発のモデル事業が始まり、2007年まで公社と韓国の民間企業が数百回にわたって北朝鮮鉱山に実体調査に出て生産原価費用など現地投資・協力条件を検討するなど、活発な往来が行われた」とし、「残念なことに、2008年から往来が激減して、2010年の5・24措置で全ての鉱物資源協力が全面中断され、今は鄭村鉱山に派遣されていた韓国の職員もすべて撤退してしまった」と話した。

 鉱物資源協力は資源の「貿易」以上の経済的便益を南と北の両側にもたらし得る。朝鮮半島は面積は狭いが南と北の地下資源の賦存環境が大きく異なる。韓国は世界5位の鉱物資源の輸入国で鉱物自給率が極めて低く、全体鉱物の輸入依存度は88.4%にのぼる。政治的緊張がなければ、隣接した両地域の格段の鉱物資源分布の差が経済的側面で自然と相互に鉱物資源貿易・投資をもたらしただろうという話だ。イム次長は「鉱物資源投資協力は、われわれとしては資源安保確保や輸入代替効果だけでなく、物理的に近距離から来る輸送費の削減効果も大きい」とし、「北朝鮮としても鉱物資源協力を経済跳躍の支えであり原動力として活用することができるだろう」と話した。特に中国やロシアなどの外国企業も北朝鮮の鉱物資源に非常な関心を持ち、投資に参入する構えを見せ、南北の鉱物資源投資協力が先制的に必要な状況だ。

 北朝鮮の鉱物資源開発の過程でまず必要なのは、鉱山開発に使われる莫大な量の電力供給を解決することだ。文大統領が金委員長に渡した新経済構想の資料に「発電所」が含まれていたのは、これと無関係ではないと見られている。2007年、鉱物資源公社が端川地域の鉱山開発の妥当性の検討に乗り出すときも、北朝鮮の水力発電設備を改・補修して電力を供給する案を検討したことがある。

チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:5/2(水) 17:16
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