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「南北合同チーム コリア」と対戦する日本女子代表チームの心境は?<世界卓球2018>

5/4(金) 17:51配信

テレビ東京スポーツ

ITTFが「南北合同チーム コリア」結成の経緯を説明

 突然の出来事だった。「世界卓球2018スウェーデン(団体戦)」<4月29~5月6日/ハルムスタッド>大会5日目にあたる5月3日の朝。午前10時に試合が始まるはずの女子決勝トーナメント準々決勝の韓国対北朝鮮が突如として無くなったのだ。

【ハイライト】世界卓球2018 韓国・北朝鮮 南北合同チームを結成

 目の前では両チームの選手が和やかに言葉を交わし、会場には両チームが試合をせずに統一チームを結成し、共に準決勝へ進む旨のアナウンスが流れた。ITTF(国際卓球連盟)のプレスリリースによれば、前夜に南北朝鮮の代表者から申し出があり、ITTFを交えた3者の話し合いと決勝トーナメントに進出した各協会の同意を得て決断に至ったという。

 ITTFのトーマス・バイカート会長は、「統一チームの件を理事会に説明したところスタンディングオベーションが起こり、この歴史的な動きをサポートする姿勢を見せてくれた」と話し、さらにこの決定は両国の代表が先週、朝鮮半島の長期的な平和を誓ったことを受けた動きであり、スポーツを通した世界平和に卓球は貢献すると位置づけている。

 また、3日午後に開かれた記者会見でバイカート会長は、「私たちはルールを尊重しているし変更もする。今回のことはルールを超えた出来事であり、平和へのサインであるというのが答えだ」とも話した。

選手は驚きながらも勝利に前向き。ベテラン水谷も言及

 世界卓球の大会期間中に誕生した「南北合同 コリア」と最初に対戦するのは、準々決勝でウクライナを下し準決勝に駒を進めた日本女子代表チームだ。ウクライナとの試合直後、馬場美香監督は予想だにしなかった対戦チームの変更について、次のように語っている。

「(知らせを聞いたのは今朝の)10時ちょっと前。選手たちにはまず今日の試合を頑張っていこうと言った。明日に向けて両チーム10名から5名に絞られた選手に対して対策を練っていく。世界卓球のような大きな大会では何が起こるかわからないと常に考えているので、そのうちの一つと捉えている」

 また、キャプテンの石川佳純(全農)は「大会が始まる前でなく、いきなりの統一チームということだったので驚いた。でももう決まったことなので、自分たちのプレーをすることに変わりはない。世界選手権にハプニングはあるけど、こういう予想しないこともあるんだなと本当にびっくりした」と率直な感想。

 17歳の伊藤美誠(スターツSC)は「すごい楽しみ。早く試合がしたい」、18歳の平野美宇(日本生命)は「こんなことあるんだってびっくりした。でも(自分たちの目的が)相手に勝つというのは一緒なので明日も勝ちたい」と話した。

 なお、女子のことではあるが、男子の水谷隼(木下グループ)に感想を尋ねると「すごくびっくりしている。スポーツが政治的な利用のされ方をするのはどうかと思うところもあるが、それで世界が平和に導かれるのであればすごくいいと思う」と長く競技を続け広い視点を持つ彼らしい答えが返ってきた。

(文=高樹ミナ)

テレビ東京