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不適切?「ドザえもん」黒塗り ネットで話題に 福岡市のアートイベントの作品

5/8(火) 9:46配信

西日本新聞

 この春、福岡市の福岡城跡で開かれたアートイベントで、美術家の岡本光博さん(49)=京都市=の立体作品が題名を伏せて展示された。隠された題名は「ドザえもん」。「美術作品のタイトルを黒塗りするのは前代未聞では」との声が特命取材班に寄せられた。イベントの裏側で何があったのか。

⇒【画像】黒塗りされていた「ドザえもん」というタイトル部分

 作品「ドザえもん」は岡本さんの代表作の一つ。人気アニメのキャラクターを想起させる青い人形が、うつぶせに倒れている。「溺死者の遺体」(広辞苑)を意味する「土左衛門(どざえもん)」からもじった。「言葉遊びがメインテーマ」と語る岡本さんは、だじゃれやユーモアを交え、時には著作権侵害が心配になる作風で現代社会を映し出す。

題名を伏せたきっかけは匿名の電話

 イベントは花見シーズンに合わせ、福岡城跡の各所に国内外の美術家6人の作品を並べる「福岡城まるごとミュージアム」の一環で、3月30日~4月8日に開催。江戸時代に建てられた櫓(やぐら)の中に置かれる形で、事前に配布されたチラシにも「ドザえもん」という題名と写真が載った。

 実行委員会事務局の市文化振興課によると、題名を伏せたきっかけは匿名の電話だった。「『ドザえもん』という言葉は不適切では」-。イベントの準備が進む3月13日のことだ。

題名が書かれたライトボックスには布

 「土左衛門」の語源は、水死体を巨漢力士に例えた江戸時代にさかのぼる。事務局は過去に「ドザえもん」を展示した全国の施設に問い合わせた。同様の苦情は確認できなかったが、九州で自然災害が続いたことを踏まえ、岡本さんに題名変更を要請したという。

 岡本さんの作品にとって題名は重要な要素なので変更は難しい。岡本さんは「チラシを見た子どもたちが見に来るだろうから作品はあった方がいい」と考え、やむなく題名を伏せた。岡本さんを招いた福岡市美術館の学芸員とも相談し、題名が書かれたライトボックスには布を掛け、解説パネルの題名部分は「伏せられている事実をあえて出す」(岡本さん)ため黒塗りにして開幕に間に合わせた。

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最終更新:5/8(火) 12:43
西日本新聞