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日中韓、陰の主役は金正恩委員長

5/8(火) 18:30配信

FNN PRIME

絶妙のタイミングで中韓首脳が来日

9日の日中韓首脳会談のため、中国の李克強首相が8日に、韓国の文在寅大統領が9日に日本を訪れる。
重要な隣国同士でありながら、中国首相の来日は7年ぶり、韓国大統領は6年半ぶりだ。
そんなことからもこの3ヵ国の容易ならぬ関係がうかがえる。

【画像】日中韓首脳会談 キーパーソンは誰?

輪番で日本が開催国となった今回の首脳会談も、昨年以降、開催時期を巡る3ヵ国の調整がなかなかつかず、ようやく今年5月に落ち着いたのだが、結果として絶妙のタイミングでの開催となった。
言うまでもなく、3月の南北首脳会談、中朝首脳会談を経て、今後数週間以内に米朝首脳会談が行われるという狭間の時期になったからだ。

特に文大統領は北朝鮮を巡る一連の動きのキーパーソンだ。
安倍総理は、南北首脳会談の2日後に行われた電話会談で文大統領から説明を受けたが、既にそれから10日。
水面下での米朝のせめぎ合いは胸突き八丁にさしかかっているはずだし、今月22日には米韓首脳会談も予定されている。
日中韓首脳会談の後に行われる安倍総理と文大統領との会談と昼食会は、北朝鮮を巡る最新の動きについて話し合い、大統領の腹積もりを探る絶好の機会となる。

李首相は、習近平・金正恩会談の席には写っていないが、行事などには同席しているし、中国の対北朝鮮政策の大転換の経緯と今後について熟知する立場にある。日中関係の改善を軌道に乗せ、習主席の訪日に道筋をつけることが安倍総理にとって最優先だが、北朝鮮をめぐる中国の考えを直接聞けるのは大きい。

大波の乗り方が問われる開催国日本

日中韓脳会談後に発表される共同宣言で、南北関係の改善や北朝鮮の非核化がどう扱われるかに注目したい。

日本は開催国なので、共同宣言のドラフト作りや中韓との文言の調整では主動的な立場にある。日本の主張を100%押し込めばいいというのではなく、日中韓の将来を見据えて、中韓と足並みを揃えつつ、日本のこだわりポイントをさりげなく入れ込むという外交が必要になる。
はっきり言ってしまえば、韓国と中国は北朝鮮融和派であり圧力路線に慎重だ。トランプ大統領の「最大限の圧力路線」も安心して信頼していいのかかなり微妙だ。日本だけが圧力路線一直線でどこに行けるというのだろうか?

肝心のトランプ大統領が金正恩委員長との合意について「俺だからできた。偉大な取引だ!」と勝ち誇って見せることにこだわるのなら、日本にとっては緩いものであっても『北の非核化』は歴史的成果!という大きな流れは止まらない。金正恩だけでなく、文在寅にも習近平にも、そしてもしかしたらトランプにも、「日本がギリギリと厳しいことを言い続け邪魔をした」と思われたら損だ。それでは拉致問題の解決にもつながらない。

非核化については、米朝首脳会談では「完全で検証可能かつ不可逆的な『非核化』」という大枠で合意。さらに期限など可能な合意は首脳間で積み上げるが、具体的な進め方は関係国の閣僚レベルや専門家がきっちり詰めて実行する‥というのが現実的というものだ。であれば、日本がギリギリ路線で『核廃棄』に挑む機会は遠からず必ずやってくる。アメリカはもちろん、韓国も中国も、北が『核廃棄』するに越したことはない。ただ、それぞれの国益をトータルに考えれば、この歴史的機会を最大限活用することの方が大事で、『核廃棄』にこだわるあまりその機会を逃すのは下策だ。まずは『非核化』でその先へとつながればいいという判断なのだろう。
日本もここは大きな流れに乗るということで良いのではないか。あいまいな書き方の『非核化』にとどまった「板門店宣言」を日本政府が支持したのは、正にそういう姿勢の表れだ。

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最終更新:5/8(火) 18:30
FNN PRIME