ここから本文です

【ほのかりん インタビュー】私にできる最大のことが詰め込めた

5/8(火) 12:03配信

OKMusic

カルマのように逃れられない“愛”という感情を情景観とともにあえて感覚的かつサラッと歌うシンガーソングライター・ほのかりんから、まさに“愛”にまつわる曲たちを収めた1stフルアルバム『LOVE ME TENDER』が届けられた。さまざまなサウンドに乗せ歌う彼女の数々の“愛”は、耳馴染みの良さを伴い体にスッと入り込んでは心のどこかに切ない何かを残してくれる。

ほのかりん インタビューのその他の写真

──昨秋よりデジタルで4曲を配信し、どれも違ったタイプのサウンドや歌表情でしたが、今作も10曲10種各々異なっていて、まずはその表現力の豊かさに驚きました。

全然違うでしょ? そうなんですよ。でも、確かに曲調は全てバラバラですが、私の中ではこの10曲って結構共通しているものがあって。アルバムタイトルにもありますが、どれも“私、愛に縛られてるなぁ”と感じるんですよね(笑)。

──分かります(笑)。どの曲も愛から逃れられないカルマっぽさを宿してます。

カルマ! まさしくそれです。入れる曲を並べてみた時に、“愛”ってワードが入っていない曲がなかったですから。私自身、“自分は愛の曲ばかり作ってたんだな”と実感できたし、“こんなにも愛に縛られてたんだ!?”って(笑)。

──昔からこのようなタイプの歌詞ばかり?

ですね。言っても曲を書き始めたのが、ソロ以前に活動していたバンドを辞めた辺りからなので、18歳ぐらいでしたけど。それこそ「メロンソーダ」は一番最初に作った曲なんです。「東京」もその次に書いた曲だし。そう考えると、その頃から今までのまとめって感じですね、今作は。

──では、昔から今も歌っている芯はそう変わりがないと。

人生に求めるものが10代の頃からあまり変わってないんでしょうね。だから、愛に依存しちゃうのかも。私、愛を側に置いておきたいタイプというか。むっちゃ必要というよりかは、むしろコレクターって感覚なんですけど(笑)。

──今作もどの曲も愛を欲してはいますが、そこに執拗な執着がない主人公ばかりですもんね。いわゆる別れや終わりが来る運命を予感している諦念が、どの曲にも根底からは感じられます。

私にとって愛って、ちょっとダメなほうがいいんです。真正面からエネルギッシュにこられちゃうと、ちょっと引いちゃう。なので、どちらかと言うと私は終わっている恋のほうが好きで。だから、このようなタイプの曲が多いんでしょうね。終わらないことを願ってるけど、どこか終わりを予感している。諦めてるけど期待してる、そんな感じです。

──それってまさに今作の「夏好きの君」の世界観ですね。

基本的には私の人格が出ている曲ばかりですから。私、傷付く度合いで、その愛の深さを測るんです。好きになればなるほど、その執着していた分、別れた時に、その分の痛みを伴うじゃないですか。そうすることで“私はこんなにもあの人のことを愛してたんだ…”と実感するタイプ。なので、あまり傷付かない恋は、そんな程度の恋だったって思っちゃう(笑)。

──むちゃくちゃ“Love Me Tender”ですね。歌詞や歌物語的にはかなりディープでドロッとしていたり、暗い内容なものでも、あえてそれを感じさせず、ややをもすると明るく軽く歌っているところも特徴的ですね。

傷付きはするけど、惨めにはなりたくないんです。悲しいけど、他所から見てかわいそうと思われるのは嫌で。

──「Envy」も一般的には恨み節で来そうですが、あえてふんわりと軽く歌ってますしね。

この曲は今作の中でもっともダークで重いかも。でも、それをあえて明るく描きたかったんです。私、歌詞重視派なので、まずは耳当たりから入るんです。なので、“聴いた感じはこうなんだけど、歌詞をじっくり見るとこうだったんだ!?”と気付いてもらいたい面はあります。この曲や「ふわふわ」なんて耳障りが良いので、天気が良い時に聴くとすごく合うんですけど、実は歌詞は結構そうでもなかったりするんで(笑)。これらの曲の場合は聴く時は外、歌詞をじっくり見ながら聴く時は、ぜひひとり、部屋の中で聴いてほしいですね。

──歌表現もアンニュイさややさぐれた感じ、凛としていたり、ふわっとしていたり、ポップな感じやアダルティーだったりと曲毎の歌表情の付け方にも長けてますね。

その辺りは各曲、自分がその曲で聴きたい声色で歌っています。

──「愛」に関してはジャジーさも飛び出してきて驚きました。

この曲でガラッと雰囲気が変わりますからね。このようなタイプの楽曲は私も初挑戦でした。でも、アダルトな雰囲気も含め、このようなタイプの曲もいつかは歌いたいと思っていたので、今回実現できて嬉しかったです。これによってウェットさも交えられたんで、さらにバランスも良くなったし。ライヴでの披露も楽しみです。

──サウンドもタイプさまざまですが各曲歌ってみていかがでした?

このアルバムが完成してからというもの、他のアーティストさんの作品をまったく聴かなくなっちゃいました(笑)。それこそ、こればかり聴いちゃって。いいですね、曲を作るって。自分で作れば思っていることを自由に吐き出せるし、自分の聴きたいものが聴けるんで。他のアーティストさんを聴く時って、その歌に自分の気持ちを寄せたり、重ねたりするじゃないですか。だけど、自分の歌ってまんま自分ですから。それだけ私にできる最大のことが詰め込めたってことかな。

──そんなほのかりんのこれからのビジョンを聞かせてください。

実は今作は自分にとって若干重いアルバムになっちゃったかなと感じていて。なので、今後はいい意味で自尊心が強い楽曲を作っていきたいんです。もっと強いものでありたいし、強く見える女になりたいです。

──それは?

今回アルバムのジャケットに私以外にもうひとり女の子を載せたんですが、女の子と女の子がいるシーンってむっちゃ強いなって。男と女ってすごくもろい…男女のどちらかが弱いイメージがあるじゃないですか。だけど、女の子同士は自分を分かっているから靡かないし強い。自分で自分を愛せるってむっちゃすごいことだし、カッコ良いですからね。どちらかと言うと私の場合、弱く見える曲を書きがちですが、今後は自分のキャラクターとして強く見られる楽曲も書いていかなくちゃなって。

──これまで以上に女性のシンパが付きそうですね。

女の子が聴いて分かる曲ばかりですからね。正直、男性の気持ちなんて全然分からないんで(笑)。

取材:池田スカオ和宏

OKMusic編集部

最終更新:5/8(火) 12:03
OKMusic