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大人になりたくない、あなたへ。少女を描き続けてきた漫画家が伝えたいこと

5/9(水) 6:11配信

BuzzFeed Japan

大人になるって、なんだろう。どうして、大人にならなくちゃいけないんだろう。「すごろく」を進めるだけの人生で良いのだろうか。もっと踏み外しても、自由になっても良いんじゃないだろうか。あの頃の、私みたいに。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

「大人になるに従って、少女の部分は消えると思っていたんですけれど、奥底にずっとあるんですよ。大人も、大人ではないんですよね」

そうBuzzFeed Newsの取材に語るのは、デビュー以来さまざまな少女を描いてきた、漫画家の今日マチ子さんだ。

自分の中にいる「少女」と向き合い続け、それを作品へと昇華させていった。この5月10日には、漫画『センネン画報+10years』を発表する。

ひめゆり学徒隊、被爆した女学生、被災地に生きる女の子、モラトリアムに悩む女子高生……。

これまで描いてきた少女たちは、さまざまな顔を持つ。でも、どれも純粋無垢で、真っ白な子たちではない。時にものを盗み、人を妬み、嘘をつき、誰かを傷つける。

「私、なんとなく世間が押し付ける少女のイメージがイヤだったんです。大人の考えるような、かわいくて明るくて、連ドラのヒロインみたいな少女は全然いないよな、って思ってしまって……」

「自分の周りを見ても、そんな子は滅多にいない。いたとしても何らかの何か、別の問題を持っていたりする。大人がなんとなく押し付ける少女のイメージへの反発心が、作品づくりのスタートになっているんです」

「こうあるべき」に縛られている

作品には、大人たちを「汚い」といい、大人になることを拒む少女もでてくる。

今日さんは、「大人になることはネガティブじゃない」ともいう。それは、自分の中にいまも「少女」が生き続けることを知っているからだ。

「少女はみんな、鋭さ、残酷さ、切なさを持っている。自分勝手で未完成で、何者でもない、とても不思議な時期。そうした少女らしさって、大人になっても失われないんですよね」

1月に出版された「もものききかじり」では、そんな“大人”の女性を描いた。恋と仕事、そしてこれからの人生に悩む「アラサー」の劇団員「もも」の日常をつづったストーリーだ。

「私も、彼女みたいなところがあるんです。ずるずると子どものままきちゃっていて、いまだに大人の世界で苦しんでいる」

ももは、まさに少女らしさをはらみながら大人になった女性だ。自分がやりたいことと、社会のしきたりに挟まれながら、悩み、落ち込み、そして前を向く。

「なんていうのかな。女の人って、少女時代から“こうあるべき”というものを刷り込まれているんですよね。料理ができるべきとか、こういう格好をするべきとか、20代後半なら結婚しなければいけない、とか。そういうものに、縛られてしまうのかなって思うところはあって」

「どこまでが本人の選択したことなのか、どこまでが社会が導いてきたのか、やっぱり考えてしまうんです。もっと、自由にいる部分は残して良い。気が向いたままに行動するというか、自分中心に考えるというか……。まさにそれって、少女らしさなんですよね」

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最終更新:5/9(水) 8:59
BuzzFeed Japan