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麻生太郎氏のスーツ35万円は高いのか 報じたテレビ局にネットで批判

5/10(木) 9:45配信

産経新聞

 財務事務次官のセクハラ問題に関する発言や対応が非難されている麻生太郎財務相兼副総理(77)。福田淳一氏の次官辞任で落ち着いたかと思いきや、「『セクハラ罪』という罪はない」と述べ、改めて女性団体や野党の批判を浴びている。麻生氏といえば、首相時代にホテルのバー通いやカップ麺の値段を知らないことが一部メディアに問題視された。

 だが今回、テレビ番組が麻生氏の着用するスーツが1着35万円であることを取り上げると、逆にインターネット上では「だから何」「印象操作」とテレビ局がやり玉にあがった。ネット普及の影響か、本質と関係ない批判に対しては世論の目は厳しくなっているようだ。

 麻生氏のスーツについて事細かく報じたのは4月22日に放送されたTBS番組「アッコにおまかせ」だ。

 司会の歌手、和田アキ子さん(68)の発言が何かと話題になる同番組だが、麻生氏が50年来スーツを仕立てているという東京都港区の「テーラー森脇」のオーナーの話として、麻生氏が3カ月に1度来店し、35万円ほどのオーダーメードスーツを2~3着仕立てていると紹介した。

 このことについて、和田さんは「すごいな」と一言。次官のセクハラ問題が世間をにぎわしていた同16日にも麻生氏が来店し、スーツを仕立てたことに関して「こんなに大変なときに! 今の時期はちょっとずらされてよかった気も…」と苦言を呈した。

 番組では、女性記者がセクハラ被害にあったテレビ朝日が財務省に抗議文を提出したことに関し、麻生氏が「抗議文はもう少し大きな字で書いてもらった方がいい」と発言したことなども取り上げていた。

 番組が放映された後、ネット上で目立ったのが、麻生氏に対してというより、番組への批判的な意見だ。

 「時代遅れの印象操作」

 「日本の財務相が激安スーツじゃ国民として恥ずかしい」

 「これに文句言うなら、報酬受けながら国会ボイコットする野党議員の方が税金の無駄」

 動画サイト「ユーチューブ」では、こうしたコメントが散見された。

 麻生氏は平成20年9月から約1年間の首相時代、リーマン・ショック後の世界的な景気後退を受けさまざまな政策対応を求められたが、そのことよりも「高級ホテルのバー通い」などが批判され、支持率低下に直面した。バー通いなどを追及した記者が脚光を浴びるようなこともあったが、今回のネットの反応をみると、隔世の感がある。

 そもそも、麻生氏のスーツは高いのだろうか。

 紳士服の“プロ”といえる松屋銀座の宮崎俊一シニアバイヤー(52)によると、フルオーダースーツは上級のものは70万~80万円はするため、「35万円というのは相場からいうと安い」という。

 ただ、麻生氏のスーツはウールモヘアというトップクラスの生地を使っているとみられ、通常ならもっと値が張っておかしくない。

 3カ月に1度、2~3着仕立てる麻生氏は、一般客とは一線を画す“上客”だからこそ、35万円の価格になっている可能性があるとみられる。

 宮崎氏は、麻生氏の着こなしについて「完璧すぎて手を入れるところがない。最後に残った政治家らしい政治家のスタイル」とべた褒めする。上着の袖口から覗くシャツのバランスやカフリンクスのバリエーション、オーダーとみられるネクタイなど、「手抜きがない」という。

 スーツの形状も肩幅がゆったりしていて着丈が長めと、最近のトレンドとは全く違うため、宮崎氏は「相当、自分をもっている。あそこまで貫くのはすごい」と麻生氏の性格を推測する。

 麻生氏は今月4日、訪問先のフィリピンで「セクハラ罪という罪はない」などと発言。セクハラ被害者への配慮に欠けるなどとして女性団体などからも批判されたが、8日の閣議後の記者会見でも、同様の発言を繰り返した。

 財務省の決裁文書改竄をめぐっても「どの組織でも改竄はありうる。個人の資質が大きかったのではないか」と述べた。野党は「麻生氏は何の反省もしていない。閣僚どころか国会議員の資格が問われなければいけない」(共産党の小池晃書記局長)と批判のボルテージをあげ、火に油を注いでいる状態だ。

 こだわりのあるファッションは世の中から一定の評価を得るようになってきた麻生氏だが、セクハラ問題に対するかたくなな発言や姿勢に対しては、厳しい目が向けられているといえそうだ。 (政治部 田村龍彦)

最終更新:5/10(木) 23:14
産経新聞