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張本の躍進と熾烈な3番手争い。世界卓球2018スウェーデンに見る、日本男子チーム

5/10(木) 20:11配信

テレビ東京スポーツ

 中国男女優勝で今年も幕を閉じた世界卓球団体戦(4月29日~5月6日/スウェーデン・ハルムスタッド)。日本は女子が銀メダルを獲得。準決勝では、突如実現した南北合同チーム コリアを退け、中国との決勝では伊藤美誠(スターツSC)が劉詩ブンから勝利をあげるなど、目覚ましい活躍を見せた。

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 その一方で、男子は準々決勝で韓国に敗れてベスト8。惜しくもメダルは逃したが、初出場の張本智和(JOCエリートアカデミー)の活躍など様々な収穫も得られた。そんな男子チームを中心に、2020年東京五輪に向けた展望も交えつつ、大会を振り返る。

初の世界卓球団体戦で強靱なメンタルを見せた14歳・張本智和

 今大会、日本男子チーム最大の注目ポイントと言えば、張本智和の戦いぶりと言えるだろう。今年1月の全日本選手権の決勝で絶対的王者の水谷隼(木下グループ)を破って最年少優勝を果たした怪物が、初の世界卓球団体戦でどんなプレーを見せるのか。これは2年後の2020年東京五輪に向けて、キーパーソンとなる張本へのテストを兼ねた大会と言っても過言ではなかった。

 大会時の張本の世界ランクは13位(大会後の世界ランクは10位にランクアップしている)ではあるが、その数字から想像する以上に世界の壁は厚い。特に団体戦ともなれば、選手のパフォーマンスの波は激しくなり、勝負の行方がわからないのが常。経験の少ない張本には厳しい結果も予想されたが、元世界ランク1位のサムソノフ(ベラルーシ)、台湾のエース・荘智淵、2月のチームワールドカップでストレート負けを喫している世界ランク7位の日本人キラー・コウ鎮廷(香港)ら、世界の強豪を下したのはさすがと言える。

 今大会は2敗を喫したとはいえ、団体戦には滅法強いのが日本のエース・水谷。その水谷と張本は何が違うのかと言えば、プレースタイル、戦術の幅などがあげられる。水谷はプレーの引き出しが多く、攻めの展開、守りの展開、様々なパターンで攻略法を持つオールラウンダー。相手の得意戦術をつぶすのに長け、「負けない」卓球ができ、それゆえに絶対的な信頼感がある。

 一方で、「超攻撃的」だがリスキーな面があるのが張本。勢いに乗っている時は中国選手を凌ぐほどのプレーを見せるが、弱気の虫が出た時に失速しやすい。負けられないプレッシャーがのしかかる団体戦ならなおさらのことで、今大会でもナーバスになる場面が何度か見られた。苦境を打開していくための戦術の選択肢も多くはないので、勝敗は張本自身の「メンタル頼み」というところがある。

 だからこそ、改めてメンタルの強さ、そして地力が備わってきたことが確認できたという点で、今大会の張本の戦いぶりは大きな収穫と言えるだろう。イングランド戦、韓国戦の敗戦は、本人としては納得のいく結果ではなかったはずだが、この経験が糧になることは間違いない。

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