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【ABC特集】新米農家と「体に優しい野菜」を! 夢はまだ“坂の途中” 百年先も続く農業を目指して

5/11(金) 17:10配信

ABCテレビ

日本の農業を変えたい

 ネギやタケノコ、ジャガイモにほうれん草…おいしそうな旬の野菜が並んだキッチン。その隣の部屋には、パソコンが並んだオフィスが。ここ、京都市のベンチャー企業「坂ノ途中」は農家から野菜を仕入れて販売する「流通」の会社です。社長の小野邦彦さん(34)は、日本の農業を変えたいと、9年前に外資系の金融機関を辞め、この会社を作りました。

「農業に憧れる人たちは、ちょっと手がかかっても、おいしいものが育つような環境とか、環境への負担が小さい農業をやりたいという人がかなり多いので、こういう人たちが農業をスタートした後に、農業経営が成り立っていくようなことを自分の仕事にしたいと。」(「坂ノ途中」社長・小野邦彦さん)

小さな新米農家を支えたい

 「坂ノ途中」が扱うそのほとんどが、農薬や化学肥料に頼らず育てた野菜。小野さんが、有機栽培に取り組む農家たちに着目したのは、環境に優しい農業を広げたいという思いからでした。

この日、小野さんが訪れたのは京都・右京区の農家・大渡禅龍さん(56)の畑。

「これ、白菜の菜の花。」(農家・大渡さん)

「おいしいですよ、毎年の定番ですから。小松菜の菜の花とか青梗菜の菜の花とか、冬の野菜が春になると花が咲くんですよ。こっちにいると当たり前なんですけど、街の中にいると「え?そうなん?」となるような、そういうものも食べてもらおうと思っています。」(小野さん)

 大渡さんの畑には、イタリア生まれの「ロロロッサ」と呼ばれるベビーリーフ用のレタスも。「坂ノ途中」が扱っている野菜は、1年で400種類にのぼります。今では目を引く西洋野菜を作る大渡さん、前職は僧侶でした。7年前に移住して小さな農家を始めた彼が生計を立てられたのには、理由がありました。

「ここに移住したころから(「坂ノ途中」には)お世話になって、作った野菜はほとんどすべて買っていただいて。販路というのは、農家さんは大変だと思うんですよ。販路を探すことを農家のみなさんは常に考えていると思う。僕はそういう意味ではラッキー、京都に来た当初から「坂ノ途中」さんと縁があって始めたので。」(農家・大渡さん)

「坂ノ途中」は契約している小規模の農家が作る野菜を、積極的に買い取っているのです。

「新規就農する人って好きで始めるから、栽培技術は身につけていくんだけど、初期投資にお金をかけられないし、結果的にできてくる農産物が少量で不安定になる。少量で不安定なものを扱いたがる流通の会社は、本当に少ない。」(「坂ノ途中」小野さん)

販路さえ確保できれば、新しく有機農業を始めやすくなる。そう考えた小野さんは、販売先の開拓に奔走しました。その狙いは的中。創業当初、たった3軒だった取引農家は、この9年でおよそ200軒に。しかも、そのほとんどが新たに農業を始めた人たちです。

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最終更新:5/11(金) 17:10
ABCテレビ