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武田薬品が大勝負 巨額買収への期待と不安

5/12(土) 14:00配信

J-CASTニュース

 武田薬品工業がアイルランドの製薬大手シャイアーを総額約460億ポンド(約6兆8000億円)で買収する。両社経営陣が2018年5月8日、合意に達した。今後、両社の臨時株主総会で承認を得て、19年6月までに買収を完了させる予定で、実現すれば、日本企業によるM&A(合併・買収)として過去最大案件となる。自分とほぼ同規模の相手を買収するという、武田にとって、まさに社運をかけた大勝負だ。

 両社の売上高はそれぞれ1.5兆円程度、単純に合算すると3兆円程度となり、世界9位の米ギリアド・サイエンシズなどと並んで世界の製薬業界でトップ10入りを果たす。これにより収益力や開発力を大幅に高めて欧米大手に対抗する方針だ。だが、巨額買収による財務悪化などへの懸念も強い。

■新薬開発と販売強化

 武田の発表では、シャイアーの全株式を、1株あたり約49ポンド(約7200円)で買い取る。買収資金は1株あたり約30ドル(約3300円)の現金と、武田が発行する新株を組み合わせる。必要な資金調達のめ、米JPモルガン・チェース、三井住友、三菱UFJの3行と限度額308億ドル(約3兆3500億円)の融資を受ける契約を結んだ。

 「二つの会社が一緒になることで、R&D(研究開発)主導の製薬業界の真のグローバルリーダーをつくることになる。地理的なカバーでも非常に魅力的だ」。武田のクリストフ・ウェバー社長は買収合意を発表した後の電話会見で語った。

 武田の狙いは大きく分けて、新薬開発と販売強化の2面がある。新薬の面には、文字通りのR&Dの強化が一つ。新薬の開発には1000億~2000億円という多額の費用と10年超の時間がかかるため、体力勝負の側面が強く、従来から、規模拡大が世界共通の課題だった。ただ、一からの開発は時間がかかるため、既に新薬を開発した同業者を買収するというのが近年の傾向になっている。武田自身、2008年にがん分野に強い米ミレニアム・ファーマシューティカルズを約8800億円、17年にも同じく米アリアド・ファーマシューティカルズを約6000億円で買収した。既に持つラインアップと開発力の両にらみのM&Aだ。

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最終更新:5/12(土) 14:00
J-CASTニュース