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街頭で踊る50年=「命続く限り」=87歳大道芸人

5/12(土) 4:49配信

時事通信

 「ギリヤーク! 日本一!」。

 街頭で踊る1人の男性を大勢の観客が囲み、掛け声と拍手が鳴り響く。津軽民謡を素材にしたオリジナル舞踊を披露するのは、大道芸人のギリヤーク尼ケ崎(本名尼ケ崎勝見)さん(87)。「全身全霊で精いっぱい、命の続く限り踊っていきます」。今年で路上デビュー50周年を迎えるが、情熱は衰えることを知らない。

 北海道・函館出身。俳優を目指して上京し、1968年に銀座で初の街頭公演を行った。芸名は、顔立ちが似ているという樺太の少数民族「ギリヤーク」に由来する。国内だけでなく、パリやニューヨーク、サンパウロ、モスクワなど世界各地でも踊りを披露し、投げ銭を糧に生活してきた。

 年齢を重ねる中で、パーキンソン病や脊柱管狭窄(きょうさく)症を発症。体調不良に苦しみながらも、腰にコルセットを巻き、公演に向けた練習に日々取り組む。

 今月3日、「50周年記念」と銘打って京都市東山区の公園広場で開かれた公演には、開始の1時間以上前から人だかりができた。午後2時ごろ、黒子の女性が押す車いすに乗ったギリヤークさんが軽妙な三味線の音に合わせて姿を現すと、歓声が上がった。

 公演中は一人で観客の前に立ち、舞台に誘った観客と陽気に踊る「よされ節」や、音楽に合わせて数珠を振り回し、地面をのたうち回るように激しく踊る「念仏じょんがら」など4演目を披露した。

 今後は19日に横浜で、8月には函館、札幌での公演を予定。10月8日には毎年恒例の東京・新宿で50周年公演に臨む。

 都内の自宅で取材に応じたギリヤークさんは、「見てくださった方の心に触れる踊りを、人間が生きていく喜びを精魂込めて一生懸命踊るだけです」と思いを語った。「ギリヤーク尼ケ崎はまだ頑張ります。まだ踊ります」。 

最終更新:5/12(土) 9:05
時事通信

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