ここから本文です

イスラエル唯一の女性刑務所--ドキュメント写真が切り取った悲惨な現実

5/12(土) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

イスラエル唯一の女性刑務所--ドキュメント写真が切り取った悲惨な現実

イスラエルには、2万人を超える囚人と抑留者がいる。

そのわずか1%が女性、イスラエルの唯一の女性刑務所に収監されている。ネベ・ティルザ刑務所だ。

イスラエル唯一の女性刑務所--ドキュメント写真が切り取った悲惨な現実

イスラエル中央地区、テルアビブの東南15マイル(約24キロ)に位置する都市ラムラにあるネベ・ティルザ刑務所には、200人を超える女性囚人が収監されている。1968年に作られたイスラエル唯一の女性刑務所には、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒が区別なく、過密状態の監房に入れられている。

イスラエル人の写真家トメール・イフラー(Tomer Ifrah)は2013年、ネベ・ティルザ刑務所に何度か足を運び、囚人たちが味わっている孤独と閉所の恐怖を写真に収めた。彼の写真は虐待や適切な医療の欠如など、かつて囚人に対する非人道的扱いで告発されていたネベ・ティルザ刑務所の実態に人々の目を向けさせた。

彼はまた、女性囚人たちが社会復帰を図ろうとする際、ある種のレッテルを貼られ、多くが再び刑務所に戻ってしまっていることを明らかにした。彼の取り組みは、ウェブサイトとインスタグラムで紹介されている。

一部だが、イフラーが明かしたネベ・ティルザ刑務所の実態を見てみよう。

(※全ての写真は記事上部のリンクからご覧になれます)

ネベ・ティルザ刑務所はイスラエル唯一の女性刑務所。同国の2万人の囚人のうち、200人以上が収監されている。

危険なほどの過密状態、140平方フィート(約13平方メートル)の監房に最大6人が入れられている。

大半は母親。子どもたちが面会に来ても、一緒に過ごせる十分なスペースがないと不満を訴えた。

多くが売春の被害者で、薬物中毒や性的暴行を受けた過去を持つ。セラピーグループに参加する囚人もいる。

刑務官から暴力を受けた囚人もいると伝えられた。

刑務所の独房棟には、平均的な大きさの人が振り向けないほど狭い独房がある。「独房棟は虫が沸き、エアコンはなく、扇風機も壊れている」とイスラエルの新聞Haaretzは報じた。

2003年、拷問に反対するグループは様々な犯罪行為の中でも、囚人たちは暴力、不適切な医療、不当な独房行きや尊厳を無視した身体検査などを受けていると主張した。

精神疾患を患う囚人も多い。だが刑務所に治療の場はない。「心を病む者を一緒にしておくことは、彼女たちにとっては地獄のようなもの」とイフラー氏。

唯一の女性刑務所ということは、10代や初犯の囚人も、しばしば罪の重い囚人と同じ監房に入れられることを意味する。

ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒も同じ監房に。少数民族や移民も同様だ。厳しい環境から立場を超えた親密な関係が生まれているとイフラ―氏。

たばこ、テレビ、衣服など、わずかな楽しみもある。

だが「イフラ―氏が撮ったポートレートの多くには深い悲しみがある。女性をとりまく環境と、カメラの前に身を晒すことになった境遇が共存している」とウェブメディアRefinery29は記した。

「ネベ・ティルザは生きるには非常に厳しい場所。極めて過密状態で、雰囲気は普通ではない。とても狭い」とイフラ―氏はPrison Photographyに語った。

出所後、ほとんどの人が仕事探しの困難さにぶつかる。囚人の70%が刑務所に戻る。女性の元囚人は、男性の元囚人よりも厳しく扱いを受けることが、高い再犯率の原因と元囚人は語った。

「世間は女性囚人を受け入れない。男性が刑務所に行くことはあり得ることだと受け入れる。希望がある。でも女性は? 女性がなぜ刑務所にいたのかと聞かれる」と元囚人はエルサレム・ポストに語った。

囚人は、ときには母性と刑務所生活をテーマにした演劇プロジェクトに参加する。「母親の感情は普遍的で力強い」と演劇監督はイスラエルのメディアに述べた。

ネベ・ティルザの厳しい現実が囚人たちを親密にする。「囚人たちの間にはたくさんの愛がある。彼女たちは互いをとても深く気にかける。親密な家族のようだ」とイフラ―氏はRefinery29に語った。

[原文:http://www.businessinsider.com/israel-prison-photos-neve-tirza-2018-4]

(翻訳:Setsuko Frey、編集:増田隆幸)

最終更新:5/12(土) 20:54
BUSINESS INSIDER JAPAN