ここから本文です

金正恩委員長の乗機“エアフォース・ウン”の飛行コースが持つことになる意味

5/12(土) 21:59配信

FNN PRIME

米朝首脳会談 金正恩委員長は空路、シンガポールへ

「6月12日、シンガポール」とトランプ大統領がツイートした米朝首脳会談。非核化、ミサイル、拉致など、日本としても注目せざるを得ない会談となりそうだが、金正恩委員長は空路、シンガポールに向かうことになる。
金委員長は、中国の習近平主席との会談のため、大連に向かう際、専用機のイリューシン62M型「チャムメ1号」を使用し、航空機での海外訪問も躊躇しない姿勢を示した。

【写真】これが「エアフォースウン」だ!

同機を米ワシントンポスト紙等は、米大統領が搭乗するエアフォース・ワンになぞらえ「エアフォース・ウン」と呼んだ。
北朝鮮の高麗航空の公式HPに依れば、2008年9月から同社は、平壌ーシンガポール間のチャーター便を運航していたことになっている。同区間を飛べる乗員は、北朝鮮内で確保されているのかもしれない。

「エアフォース・ワン」と“エアフォース・ウン”

イリューシン62M型は、旧ソビエト連邦を代表する旅客機のひとつで、1971年に初飛行。T字尾翼の付け根の左右に2発ずつ、合計4発のエンジンがあり、テイルヘビーなのか、地上で停止しているときには、車輪付のつっかえ棒のような支えが地面に伸びているのが、外観上の特徴だ。

米国大統領が海外訪問を行う場合、約1万3000kmと長大な航続距離と搭載量を誇るボーイング747-200B型機を改修したVC-25型機を使用するのが通例で、大統領が搭乗すると“エアフォース・ワン”と呼ぶ。VC-25“エアフォース・ワン”の他に、米軍には全面核戦争を含む緊急事態に際して、米大統領が戦略核部隊等、全米軍を指揮するために開発された“空飛ぶペンタゴン”、E-4B国家空中作戦センター機が存在する。

戦略核を背に米朝首脳会談に臨むトランプ大統領

このE-4Bはコンピュータと機密の通信・データリンク関連の装置を満載し、例えば、飛行しながら全長6kmものアンテナを繰り出すことが出来るが、これは、海中に潜む米海軍の戦略ミサイル原潜に、大統領の戦略核ミサイル発射命令を伝達するためだ。大統領の海外訪問の際、E-4Bは、外遊先に近い米軍基地に控えることになる。

つまり、米朝首脳会談とは、質・量ともに世界最大規模の戦略核兵器を背にしたトランプ大統領と、金正恩委員長がシンガポールで会談することを意味する。
トランプ大統領が、万が一にも、会談の途中で席を蹴れば、それが、何を意味するか。金正恩委員長は当然、それを終始、意識して会談に臨むのだろう。
勿論、トランプ大統領は、VC-25“エアフォース・ワン”に搭乗して空路を移動中でも、戦略核兵器の発射権限を自らの手に維持しているだろう。

金正恩委員長の指揮下にも、さまざまな射程の弾道ミサイルを抱えた部隊がある。核弾頭が装着可能と見られるのもある。金委員長は、国内ではグラスファイバー回線など、電波を極力、使わない通信手段で指揮を執っていたのかもしれない。
だが、シンガポールでの首脳会談中はもとより、その前後の空路で、金正恩委員長は北朝鮮軍の指揮をどのように掌握・維持するのだろうか。

1/2ページ

最終更新:5/13(日) 4:12
FNN PRIME