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引き取られた難病の高齢犬 自然体の愛情に包まれ、奇跡の回復

5/13(日) 10:14配信

sippo

 フィラリアと乳腺腫瘍という難病を患い、歩くのもやっとだったミックス犬の和香ちゃん。保護施設と引き取り手による地道なケアで病気を克服し、元気に走りまわるまでに回復しました。

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「聴診器で心臓の音を聞くと、虫が動くザワザワという音が聞こえました。強陽性(重度)のフィラリアでした」

 横浜市港南区在住の塩満美代子さんは、愛犬・和香ちゃん(ミックス、メス)を引き取ったばかりの頃をそう思い出す。

 和香ちゃんは推定10歳。ラブラドールの系列を思わせる、引き締まった体つきと穏やかな容貌の中型犬だ。茨城県の愛護センターから、動物保護団体アニマルハートレスキューに引き取られてきた。

 塩満さんと和香ちゃんの出会いは2017年7月。自宅近くのホームセンターで開かれた譲渡会をのぞいた時のことだった。

 たまたま見かけた和香ちゃんは、周囲の喧騒に戸惑っているように見えた。

「その姿がどうにも気になって、家に帰っても頭から離れなかった。自宅にはすでに猫が2匹いて、夫も当初は犬を引き取ることに前向きではありませんでした。でも、私が『あの子を飼えない』とメソメソしていたら、『それほど言うなら』と同意してくれました」

おびえて震えていた犬

 2週間のトライアル期間を経て、晴れて塩満家の一員となった和香ちゃん。体調の割には痩せており、常にどこか人の顔色をうかがう様子があったという。保護施設で手厚い治療と看護を受けたおかげで、引き取った時にはある程度改善されていたものの、かつて劣悪な環境にいたことが推測された。

「保護施設の方が引き取ったばかりの頃は、骨と皮ほどにやせ細り、立つのもやっとだったそうです。フィラリアに加えて乳腺腫瘍もあり、摘出手術を受けた後も継続的な通院が必要な状態でした」

 十分な世話がされていなかったばかりではなく、虐待を受けていた可能性もあるという。

「うちに来てすぐ、室内で粗相をしてしまった時のことです。おびえた顔でブルブル震えて、『いいんだよ、大丈夫だよ』と言っても、ずっと落ち着かなかった。きつい折檻を受けた記憶があるのかもしれません」

 心身ともに傷ついた和香ちゃんを、塩満さんは自然体の愛情で見守り続けた。

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最終更新:5/13(日) 10:14
sippo