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生活保護の学生、貧困「さみしかった」 フォーラムで訴え

5/13(日) 18:38配信

福井新聞ONLINE

 近年問題となっている子どもの貧困対策を考えるフォーラムは5月12日、福井県福井市のハピリンホールで開かれた。パネルディスカッションで、母子家庭で生活保護を受けながら育った女子大生が「母は仕事で家におらず、とにかくさみしかった。周りの人たちにもう少し助けてもらえたら、との思いがある」と述べ、社会全体での支援の必要性を訴えた。

 子どもの貧困の実態を知ってもらおうと、福井ロータリークラブが開いた。

 パネルディスカッションで、県総合福祉相談所こども・女性支援課の芝康弘課長が、県内の現状を報告。経済的な理由などで、乳児院や児童養護施設に入所する児童数は増加傾向にあり、2016年度は213人となっている。芝課長は「施設を利用している約6割の子どもは虐待を受けた経験がある」とし、1993年度に3件だった相談件数は、16年度は510件になったことを明らかにした。

 花園大学1年の女子学生は、これまでの人生を振り返った。「経済的に苦しく、小中学校の修学旅行は行っていない。児童相談所で一時保護されたこともある。大学に進学したが、一人でできないことは多い」と、18歳以降も支援が必要と求めた。福井県越前市の児童養護施設に勤める浜崎裕太さんは「入所している児童は、自己肯定感や自尊心が低い。進学や就労の面で大きな壁がある」と課題を指摘した。

 これに先立ち、子どもの貧困をテーマにした番組を制作したNHK大阪放送局の新井直之ディレクターが講演した。全国の子どもの6人に1人が月収約20万円以下の家庭で生活しているという。「子どもの貧困は、家庭的な問題で踏み込みづらく、可視化しにくい」とした上で、「未来への投資と考え、子どもは社会全体で育てる意識をみんなが持たないと救うことはできない」と強調した。

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