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<話題>保守的な業績予想には要注目

5/14(月) 8:32配信

モーニングスター

 11日のマーケットで、「SAP(高吸水性樹脂)」、およびSAPや塗料、粘・接着剤、印刷インキをはじめとする化学製品の基礎原料「AA(アクリル酸)」の世界的大手、日本触媒<4114>の株価が前日比610円高の7770円まで値を上げる場面があった。

 きっかけは10日引け後に開示した決算説明会資料。同社は7日午後2時20分に行った18年3月期の決算発表で、業績は上ブレ着地となったが、19年3月期を微増益予想としたことでいったん材料出尽くしの動き。7日を含め株価は4日続落となっていた。しかし、この資料によると、SAPとAAは供給能力過剰となった中国において、採算是正と環境規制対応により生産調整を実施しており、世界的な需給バランスは16年以降、タイト方向に転換している様子。

 実際、18年3月期は特にAAとAES(アクリル酸エステル)の数量およびスプレッド(製品価格と原料価格の値差)の拡大で「基礎化学品事業」が営業利益を129億1200万円(前期比57.3%増)に伸ばして全体をけん引。連結業績は売上高3228億100万円(同9.8%増)、営業利益267億2700万円(同26.4%増)で、営業利益は従来予想を7億2700万円超過した。

 続く19年3月期は売上高3500億円(前期比8.4%増)、営業利益270億円(同1.0%増)を計画するが、例年、期初予想が保守的であること、また当面、堅調な市場環境が持続しそうなことを考えると、保守的な印象。同社のように、終わった期の業績が超過達成となりながら、国内外の政治情勢や米国の保護貿易主義的な政策など世界経済の不透明感を理由に保守的に見込み、株価が下落している銘柄は多く、要注目といえる。

(モーニングスター 5月11日配信記事)

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