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JR新千歳空港駅―苫小牧、道東方面直通構想 経済効果に期待

5/14(月) 5:00配信

北海道新聞

事業費は1千億円規模

 国土交通省が、JR北海道の千歳線新千歳空港駅から苫小牧方面への直通工事の実施について検討を始めたことで、長年要望してきた苫小牧市などの関係者から期待の声が上がっている。ただ、事業費は1千億円規模とみられ、大半が国費となる可能性が高く、JR北海道が「単独では維持困難」とした日高線、室蘭線の沿線住民は複雑だ。(若松樹、升田一憲)

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2022年の完成を目指す

 「長年の要望がやっと実現する。経済効果は計り知れない」。苫小牧商工会議所の藤田博章名誉会頭は喜びを隠しきれない。新千歳空港駅との直通は、単線の南千歳―新千歳空港間(2・6キロ)を複線化し、苫小牧側に貫通させるほか、追分駅に通じる石勝線に接続する構想だ。2022年の完成を目指す。

 苫小牧方面から新千歳空港駅に行く場合、南千歳駅で乗り換えが必要で、1992年に南千歳―新千歳空港間が開通した当初から、苫小牧市などが直通ルートを求めていた。構想が実現すれば、苫小牧駅が快速エアポートの発着駅になる可能性が高い。市まちづくり推進課の工藤基樹交通政策主幹は「訪日外国人客(インバウンド)にとって、乗り換えは障害。直通で交流人口の増加が期待できる」という。

日高線沿線住民は複雑

 一方、1千億円規模とされる公費投入に、高波被害で不通が続く日高線鵡川―様似間(116キロ)の沿線住民から不満も漏れる。新ひだか町の住民団体「日高線の未来を考える会」の三宅靖夫共同代表は「多大な資金を投じるなら、日高線に回せないのか」と疑問を呈す。旧国鉄、JR北海道に勤務した運転士らでつくる「JR問題を考える苫小牧の会」の小野寺正夫代表は、構想に理解を示しながら「維持困難線区にも目を向けてほしい」と話した。

北海道新聞

最終更新:5/14(月) 5:00
北海道新聞