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過去にNFLでも。日大アメフット悪質タックル問題への処分はどうすべきか?

2018/5/15(火) 6:07配信

THE PAGE

 元サンケイスポーツ代表で50年以上アメフットを取材してきた武田吉夫氏も、「フィールド上の格闘技と言われる競技だが、ここまでの悪質なタックルは過去に見たことがない。パスを投げた2秒も3秒も後に意図的に負傷させようと背後からタックルをしている。ルールを守らなければ犯罪行為になる。命にもかかわる。関学では過去に猿木さんという名QBが試合中のタックルで負傷、下半身不随になったという出来事があった。私は目の前で取材をしていたが、そのときは2人がかりのタックルの下敷きになった。関学が、今回の問題を看過しなかった背景には、そういう過去も手伝っていると思う。ギリギリのルールにのっとったプレーでさえ、このような事故が起きるのだ。そのためアメリカンフットボールでは、審判を7人も配置して、今回のレイトヒットのような危険な反則、スポーツマンシップにもとる行為に厳しく目を配っている」と苦言を呈する。

 1978年の春のリーグ戦で関学のエースQBの猿木唯資さんが負傷、選手生命を絶たれ車椅子生活を余儀なくされることになったのだ。猿木さんは、現在、税理士として活躍されているが、そういう歴史を持つ関学が怒りをあらわにするのは当然だろう。

 実は、6年前に全米プロであるNFLでも、こんな問題が起きていた。

 セインツのディフェンスコーチが、相手チームの選手を負傷させた場合に、その程度に応じてボーナス金の支払いを設定して(例えば担架で運びだされた場合はいくらとか)、「悪質タックル」を奨励していたという大問題が発覚した。勝利至上主義に走ったあげくの組織ぐるみの“犯罪”である。NFLは、当該コーチに1年間の出場停止処分とチームに約5000万円の高額な罰金を科したが、考案者のディフェンスコーチは結局、5年間謹慎させられることになった。

 今回の問題について関係者を取材すると悪質な行為を3度も行った当事者の個人的な責任はもとより、日大のチーム体質を問題にする声を多く聞いた。チームの指導者による“暴力”“パワハラ”がまかりとおり、選手は言われたことを遂行しなければ試合にも出られないというチーム体質があるようだ。数年前には、あまりの惨状に耐えかねた選手が大量退部するという事件まであったという。

 スポーツマンシップや、モラルの徹底よりも、いきすぎた勝利至上主義が選手を狂わせたのか。それでも昨年12月の甲子園ボウルでは27年ぶりに関学を倒して21度目の優勝を果たした。結果が出たため、そのチーム体質が学内で否定されることもなかったのかもしれない。

 問題は今後の再発防止策と日大への処分である。

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最終更新:2018/5/15(火) 19:55
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