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清水翔太 「今『ヒーリングミュージック』が自分の中でキーワードになっている」/インタビュー2

5/16(水) 4:00配信

エキサイトミュージック

 
■清水翔太/シングル『Friday』インタビュー(2/3)



R&Bをやってもヒップホップをやってもヒーリングミュージックだって最終的に言えるってカッチョいいなと思って

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――2ヴァース目に出てくる<RiRiとA$AP>という歌詞は、RiRiはリアーナのことで、A$APはエイサップ・ロッキーのことですよね。二人は5年ほど前にウワサになったカップルですが、なぜ彼らを今、引き合いに出したんですか?

翔太:これは「My Boo」の<アラジン、ジャスミン>と一緒なんですけど、<アラジン、ジャスミン>は自分が最初に観たディズニー映画で憧れの理想の男女像。それをホンモノの人間に置き換えたときに、パッと浮かんだ理想の男女像が「Fashion Killa」のときのエイサップとリアーナだったんです。あのMVを見たときの「うわ、お洒落な二人だな」っていうのを超える憧れの男女は、僕の中にまだいないから。あんなふうにお洒落にありたいっていうのがすごくあるんです。

――MVといえば、「Friday」のビデオでは東京のいろんな街でロケ撮影していますね。

翔太:結構行きましたね。新宿のゴールデン街とか歌舞伎町、渋谷のセンター街、スクランブル交差点、明治通りにかかる歩道橋の方。あとは丸の内にも行ったし、お台場にも行ったし。

――ロケ地は自分からもアイデアを出したんですか?

翔太:出しました。最初はオシャレな感じの場所がアイデアとして出されていたんです。それこそ六本木とか恵比寿とか。だけど、俺は敢えて、のんべえ横町とか路地裏とかを歩く方が海外っぽさがあっていいなと思って。それこそエイサップの「L$D」(のMV)みたいな。最初からグラフィックを入れるっていうのは決まっていたから、逆にそういう場所の方がオシャレになるって話して撮ったんです。

――撮影は大変でしたか? 

翔太:そうですね。センター街とか人がいっぱいいるし。スクランブル交差点のシーンも真ん中でコートを脱いで投げるので異常に目立つから。ただ歩いてるだけなら気にしない人もいっぱいいるだろうけど、突然止まってバッと投げるから。しかも、そのあと信号が変わるまでに渡りきらないといけないっていう。「ハイ、OKです!」って言われたらダッシュで向こう側までいく、その姿を見られるのがすごい恥ずかしくて(笑)。

――あのシーンは一発で成功したんですか?

翔太:いや、4回くらいやりました。その度にダッシュですよ(笑)。

――カップリングの「Letter」は、どんなふうに作っていったんですか? 

翔太:これは、もうちょっとTrap寄りのアレンジで作っていた原曲があって、それをガラッと変えて作ったんです。もともと次のアルバムに入れる予定だったんですよ。だけど、アルバムに他の曲を入れたくなって、ちょっと世界観的にカブる感じがあって。そっちを優先したいから、これはアルバムじゃなくてシングルに入れることにしたんです。

――この曲のメロディーの運び方やコード進行にはわりと手癖が出ているなと思ったんです。ところが、音色や音の組み合わせ/バランスがかなり特異で、実験的な曲だと思ったんです。

翔太:本当にその通りです。メロとかはクラシックな清水翔太の感じだと思います。でもアレンジと音が不思議だから新しく聞こえるっていう。

――エレピなどの生楽器の温かみと、打ち込みのシンセやオートチューンなどによる無機質感/デジタルな感じ。その2つの異なる要素がぶつかり合いながらも融合するよう試みているなと思って。

翔太:僕、そういうのがすごく好きで。生音×オートチューンとか。なんかそれがね、癒されるんですよ。

――下手するとミスマッチなものになったり、違和感だけを残す場合もあるじゃないですか。水と油みたいに混ざらなくなる場合もある。

翔太:でもベストマッチすると不思議な癒しを感じることもあって。そういうところを目指すことが最近多くて、この曲はまさにヒーリングミュージックを作りたかったんです。

――今、翔太くんの中で「ヒーリングミュージック」がキーワードになっている?

翔太:そう。R&Bをやってもヒップホップをやってもヒーリングミュージックだって最終的に言えるってカッチョいいなと思って。僕、そもそもヒーリングミュージックってすごく好きで。ヒーリングミュージックが好きというか、ヒーリングを目的として音楽を聴くことがすごく多い。だから、たしかにヒップホップ/R&Bはすごく好きだけど、それと同じくらい、たとえばノラ・ジョーンズとかラウル・ミドンとかオーガニックでアコースティックなサウンドに癒しを求めることが多くて、その両方を表現できるといいなって昔から思っていたんです。それこそ「BYE×BYE」のカップリングの「yours」はラウル・ミドンっぽさとR&Bの融合をイメージで作った曲だし。

――融合させるときのバランスですよね。「Letter」はそこに大胆さや斬新さを感じたから。最初に聞いたとき、いびつだなぁとか変な曲と思ったし(笑)。

翔太:あはは。でも、次のアルバムはそんなんばっかになるかも。変な曲ばっかりだと思う(笑)。「やる? そんなこと?」みたいなことをすごくやってるから。

――じゃあ、次作は結構、実験的な作品になりそう?

翔太:実験でありながら、これこそが自分の究極のカタチだとも思えてきています。自分のオリジナリティーの最終形態な気がするというか。とにかくR&Bとか清水翔太の音楽……と、日本語の歌詞の芸術性の融合が、今までよりひとつ上のステージに行ってる気がするから。この曲は次に目指しているステージの、ちょっとした片鱗っていう感じ。そこがどうなっているか、次のアルバムを楽しみにしていてください。