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産んでも産まなくてもいい。産婦人科医が語る「出産経験は女性の付加価値ではない」

5/15(火) 11:10配信

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2年前、国内で行われたアンケートで、20代、30代の女性に「パートナーの有無は別として、あなたは『子どもが欲しい』と思いますか?」と聞いたところ、4人に1人が「子どもは欲しくない」と答えていました。「欲しくない」という回答を深掘りしてみると、必ずしも「子どもが苦手」という人ばかりではないのです。背景にはどんな思いがあるのでしょうか。産婦人科医の種部恭子先生とともに、「産めない」「産まない」という声にも耳を傾けてみたいと思います。

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子どもを産んでも産まなくても、自分らしく生きるために。

 私は産婦人科医ですから、「産みたいのに、産めない」という人と向き合い、不妊治療を支援してきました。だから、産むことだけを推奨しているように見られているかもしれません。しかし、「産まない」ことも人生の選択の一つだと思っています。

「産めない」を受け入れ、さっぱりした表情で「卒業」

 不妊治療の末、「産めない」という現実を受け入れなければならない人もいます。時には、「子どもを持つ・持たないは、個人の価値を決めるものではありません。自分と社会のために生きましょう」と、強い言葉で励ますこともある。そうすると、家制度や「孫の顔が見たい」などという親の重圧から解放され、さっぱりとした表情で「卒業」していかれます。

 最初から「産まない」という選択をする人もいます。結婚や子を持つ選択はせず、必要と思う仕事に取り組んでいる女性は、どの職種でも一定数、いることでしょう。「男性に負けないように」と頑張っている人も、少なくないのではないでしょうか。しかし、それでは心も体も参ってしまう気がします。女性だからこそ感じる改善点など、肌感覚を働かせた気づきを、それぞれの道で生かしてほしいと思います。

 問題は「産みたいのに、産む環境が整わないから、産めない」という人が少なくないことです。アンケートによると、「2人以上欲しいけれど1人が限界」または「欲しいけれど諦める」と回答している人たちの「産めない理由」はいずれも、「経済的に厳しい」がトップです。キャリアアップを図ることで収入は増えるはずですが、子育ての負担は大きくなる。収入増か、子育てか・・・・・・という葛藤を、女性の側だけが1人で背負っているのではないでしょうか。

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最終更新:5/18(金) 18:17
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