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核実験場より「火星15」の破壊が “いいね”

5/15(火) 17:50配信

FNN PRIME

トランプ大統領は「盛り上げ派」

北朝鮮が北東部豊渓里にある核実験場を今月23日から25日の間に公開廃棄する。坑道の爆破などの様子を外国メディアにも取材させる予定だ。
アメリカの研究機関「38ノース」の衛星写真分析によると、既に廃棄の作業が始まっていて、メディアの前で破壊するため手つかずのままにした建物もあるというから念入りなことだ。

【写真】核弾頭を前にした金正恩氏の表情はこちら

実験場は落盤などによって使用に耐えず、「非核化」の本気度をアピールするための演出にすぎないという指摘も多い。
が、公開廃棄は来月12日の米朝首脳会談へ向け『盛り上げ効果』が期待される。

具体的廃棄計画の発表にトランプ大統領は「ありがとう」ツイートで応じており、大統領は「懐疑派」ではなく「盛り上げ派」を演じている。そっちの方が得だと計算しているからだろう。金正恩委員長との首脳会談、そして「非核化」に臨む大統領の姿勢がうかがえるというものだ。

これに限らず、トランプ大統領は「歴史的会談が楽しみだ」「素晴らしい取引になる」などと楽観的発言がますます多くなっている。一方で「成果がなければ席を立つ!」という類の発言は、先月の安倍総理との共同会見以降、あまり聞かれなくなった印象だ。

非核化の期限に合理的根拠はない

トランプ大統領が非核化の期限として意識しているのは、今年11月の中間選挙、そして2020年11月の自身の再選選挙だと言われる。まず、完全な非核化のロードマップで合意し、そして非核化を完了するという二段構えだ。それはそうかなと思うが、中間選挙も大統領再選選挙もトランプの政治的都合でしかないという点はしっかり意識しておくべきだ。
そうした期限設定が現実的だとか達成可能だとする合理的な根拠は一切ない。

そもそも、北朝鮮が保有する核兵器の数すらアメリカは把握していない。
CIAの推定は「20超」であり、DIA=国防情報局は「およそ60」だ。アメリカの情報機関の間でも一致していないのだから、核兵器をいくつ発見し廃棄したら、「完了した」と言えるのか誰にも分からない。それが「完全な非核化」をめぐる現実だ。

「完全な非核化」を実現するには、過去数十年にわたる北朝鮮の核開発計画の全容を把握し、関係する全ての人と組織、開発データ、資材・設備・施設などを特定することが大前提になる。アメリカはその全てについて極めて不十分な情報しか持っていない。手っ取り早く把握するには、北朝鮮に洗いざらい申告させることだが、申告された内容が真正かつ漏れがないかどうかを確認するにも多くの専門家と時間が必要になる。そしてここでも、「完全な申告」かどうかを判断するのは極めて難しい。

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最終更新:5/15(火) 17:56
FNN PRIME