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【Mardelas インタビュー】どの曲にも人の生きる葛藤・痛みが根底にある人間の情念、感情をたぎらせたアルバム

5/15(火) 12:02配信

OKMusic

魔界都市・新宿歌舞伎町を舞台に心に傷を抱えた人々が織りなす複雑な人間模様。新作『Mardelas III』はメンバーもそれぞれ、極妻未亡人、ホスト、殺し屋、女装バーのマスターといったキャラクターで登場する書き下ろしの物語をベースにした、ドラマチックなコンセプトアルバムとなった。

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──今回はなぜこういうコンセプトが出てきたんですか?

マリナ:1stアルバム『MardelasI』は直球なメタルアルバムで、バンドの名刺代わりになるような作品だったんですけど、2ndアルバム『Mardelas II』ではかなりジャンルの幅を広げたんですね。私が描きたい世界観とファンのみなさんがMardelasに対して抱いているイメージっていうのがどれくらい同じで、どれくらい違うのかっていうのを試したかったんです。そこで見事に双方一致した世界観を、今作は思い切ってそっちに振り切ってしまえと思って、今回はこういうコンセプトを書いたという流れです。アルバム全体をひとつの設定の中にはめ込み、かつ、各メンバーのキャラクターもその世界観の中の住人にしようと思って、こういったストーリーを書きました。

──メンバーのキャラクターありきでストーリーを?

マリナ:そうですね。ヒューマンドラマらしい世界観にしたかったので、まずはそれぞれのキャラクターのバックグラウンドみたいなところから詰めていって。例えば及川樹京だったら、実はお母さんに捨てられた経験があって女性不信っていう過去がある。だけど、今はホストとして自分がもっとも憎む女性に生かされている…みたいな。そういう各キャラクターの背景というか、傷と今いる状況。魔界都市・新宿歌舞伎町で生きているそれぞれの現状みたいなのをまず作り上げて、そこからひとつひとつのストーリーをつなげて書いていきました。

──そこにマリナさんが込めたメッセージとは?

マリナ:答えが出てないからこそ人間味があるのかなと思って、あえて出してない曲もあるんですよね。今回で言うと、各キャラクターに傷があったり、問題を抱えていたり。でも、問題は解決されてないわけですよ、各曲の中で。その中でみんなもがいているんですよね。そのもがいているところを書きたいんです。“仁義なき世界”って言い方をしていますけど、その渦中でみんなが抱えている想いみたいなものをアルバム全体に渦巻くような感じで…そういう情念、感情をたぎらせた作品にしたいなと思っていました。人の生き様ってそれぞれ違うから、そういうものを私は表現したいんでしょうね、きっと。どの曲にも人の生きる葛藤や痛みが根底にありますから。

──樹京さんは曲を作る時に何かテーマはありましたか?

樹京:キャッチーなメロディーが好きなんですよ。難解にはしたくない。でも、それは別に万人受けを狙って書いているわけではなくて、もともと口ずさめるような曲が好きなんですよね。もちろんハードロックとかヘヴィメタルは大好きなんですけど…まぁ、マリナもそうですけど、歌謡曲とか歌ものがめちゃくちゃ好きで。そういったエッセンスは自分の中に強くあるから、メロディーに関してはとにかく覚えやすいけど良質であるべきだと思っています。

──歌メロもギターソロもメロディアスですよね。

樹京:それは意識しているというか、そうしたいんです。歌と一緒じゃないですか、チョーキングの仕方ひとつ取っても。歌心のあるプレイを心がけていますし、歌が好きな気持ちを最大限ギターで表現できるように心がけていますね。

弓田:ドラムも極力メロディーとかギターのリフとかを引き立てるフレーズを意識していましたね。

──ドラムのレコーディングではフライパンを使ったとか?

弓田:そうそう。ちょっとカンカンと鳴ってるパーカッションの音みたいですけど、実はフライパンっていう(笑)。ライヴの時にカウベルを忘れて“やべぇ、どうすっかなぁ”ってなっていたら、そこのライブハウスの人が“フライパンならありますけど…”って。ダメもとで叩いたら、めっちゃいい音するじゃん!って。これは今日だけだともったいないなと思って、頂戴してきてレコーディングでも使いました。

──ベースは? 今回が初めてのレコーディングですよね。

本石:ベースは前任のhibikiくんとは違うことをやろうとは思っていましたね。彼はテクニカルというか、動いたり速弾きとかするタイプで、僕とは全然違うので、もう真逆で勝負してやろうと思っていました。歌とギターの合間を縫って、美味しいところだけペロッと弾くくらいのバランスにしようかなと。2曲目のド頭イントロのドーン!とか、そういうところにこだわりました。

──グルーブとか曲によって違いますけど、その辺は?

本石:ノリですね。レコーディングでは立って弾いた曲もありますよ。弓くんもライヴの衣装を着てやっていたし(笑)。

弓田:レコーディングって叩きやすい格好で叩きたいじゃないですか。だから、いつもはラフな格好でやっているんですけど、今回はちょっと気合い入れてみようって。ライヴ衣装って気が引き締まるんですよね。

マリナ:あぁ、ちょっと分かるかも。私も主人公が男の時はパンツを穿いたりとか、女の時はスカートにしたりとかあった。

──今作ではいろんな人間がいろんな視点から歌っていますしね。

マリナ:自分が作ったキャラクターに取り憑かれた状態、憑依された状態で歌えたと思うんです。例えば「Deception」だったら男目線なので、結構エッチなワードとか大胆なワードもあるんですけど、その辺もそういう気持ちになって…オラ!っていう感じで(笑)。そういうのも自然にできたかなと思います。

──そして、アルバムのリリース後にはツアーが。

マリナ:今までのMardelasの持ち味…荒々しくカッコ良い、ロックバンドらしい持ち味は活かしつつ、今回の世界観をいかにステージの上でビジュアルも含めて演出するかっていうところに今回はこだわりたいなと思います。

樹京:コンセプトがすごくはっきりしているので、その世界観を演奏以外でもちゃんと伝わるようにやりたいなと思います。あと、今作は演奏がめちゃくちゃ難しいんですよ。7弦ギターを何曲か使っていたりするので、その辺も新たなチャレンジですね。音作りも含めて、しっかりライヴでも再現したいです。

本石:僕はとりあえずお客さん全員殺しにかかろうかなと。

──さすが殺し屋キャラ!(笑)

本石:(笑)。くらいの熱いライヴができたらなと思っています。

取材:舟見佳子

OKMusic編集部

最終更新:5/15(火) 12:02
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