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イスラムの断食入り、鍵握る「新月観測」に密着 見えぬ月、見ようと奔走した教徒「味あるじゃないですか」

5/17(木) 7:00配信

withnews

 イスラム教を信じる人たちにとって、とても大切なラマダン(断食月)について、日本の各イスラム団体が「日本は17日に始まる」との宣言を15日夜に出しました。一度、断食入りが宣言されれば、1カ月間は日中の飲食を一切せずに、信仰を深めます。肝心の断食入りは、住んでいる土地で「新月」が見えるかどうかで決まります。重大な意味を持つ「新月観測」。15日の日没後、日本在住のイスラム教徒が作る「日本新月観測委員会」のメンバーと、新月を探しに出かけました。(withnews編集部、松川希実、神戸郁人)

【写真】ラマダン決める「新月観測」、その一夜に密着 都庁の展望台から春日部のモスクへ、その結末は…

観測場所は都庁

 月の満ち欠けに基づくイスラム暦では、8番目の月の29日に当たるのが今年は5月15日。この日に新月を確認できれば、翌日から断食が始まり、もし新月が見えなければ、その翌日から始めることになります。月の観測や判断の仕方は団体によっても異なるそうです。

 「今日の日没は午後6時39分。東京都庁に午後6時に集合しましょう」

 15日夕方、日本新月観測委員会から連絡が入りました。同委員会は世界的な組織で、その日本支部とのこと。でも、都庁? 半信半疑で指定された都庁展望室に向かい、メンバーを待ちました。

 入室無料で午後11時まであいている展望室は観光客やカップルでにぎわっています。厳かなイメージだった新月観測。場所は本当にここで合っているのか? 不安が募ります。

 ほどなくして、オレンジ色のヒゲのムハマド・アブドゥル・ラフマン・シディキさん(77)が登場! 委員会の副代表です。

全国各地でも観測

 観光客の間を縫って、窓際を確保したシディキさんは、「まずはこれを書かないとね」と紙を取り出しました。

 新月観測用の秘密道具かと思いきや、手書きの模造紙に、「沖縄、広島、富山、大阪、長野…」と日本各地の地名を書き出しました。

 日本に暮らす約500人のイスラム教徒の仲間に、事前のメールやWhatsAppで観測日を知らせ、「新月が見えたか、見えなかったか報告を!」と呼びかけたそうです。

 観測地点は約20カ所にも上りました。日没時間に合わせて一斉に空を見上げ、新月を探すのです。

 どの地点にも2人以上集まることが条件で、複数で「新月を見た」と証言しなければ認められない、と徹底しています。

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最終更新:5/17(木) 11:28
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