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大手機械メーカー18年3月期は好決算続出 今期は慎重

5/17(木) 7:15配信

SankeiBiz

 工作機械や産業用ロボットなど大手機械メーカーの2018年3月期連結決算は、自動車やスマートフォン、半導体向けを中心とした活発な設備投資や、国内外で深刻化する人手不足を背景に、好決算が続出した。しかし、19年3月期については円高傾向に加え、米中経済摩擦に端を発した世界経済の混乱に対する警戒感から、一転して厳しい予想が相次いでいる。

 物流機器メーカー、ダイフクの18年3月期連結決算は売上高が前期比26%増の4049億円、営業利益は73%増の399億円といずれも過去最高となった。半導体を中心とするエレクトロニクス業界や、ネット通販の伸びが著しい物流業界などの旺盛な設備投資意欲に支えられた。地域別では中国と韓国の伸びが顕著なアジアが好調。同期の受注高は62%増の2073億円となった。

 省力化への需要は日本だけでなく米国や中国でも引き続き大きいことから、下代博社長は19年3月期についても「環境としてはよい」と予測。引き続き増収増益を見込む。

 一方で、上げ潮基調の潮目が変わりつつあるとする、慎重な見方も広がりつつある。その一社がファナックだ。

 同社は人件費高騰に悩む中国企業の省力化投資などに支えられ、18年3月期は産業ロボットが伸び、工作機械の頭脳となる数値制御(NC)装置なども好調。売上高が7265億円と前期比で35%も増えたが、19年3月期は逆に13%減を見込む。営業利益は約3分の2の水準まで落ち込む見通しだ。

 これまで業績を牽引(けんいん)してきたスマホ関連を中心とするIT関連の設備投資がピークを越えたと判断。同社では「国家間の貿易摩擦問題の動向とその影響、為替の動向などの不透明な要因が多い」とみている。

 日本工作機械工業会(東京都港区)によると、4月の受注総額(速報値)は前年同月比を22%上回る1630億円と、依然として高水準を維持している。にもかかわらず18年3月期連結決算で売上高が初の1兆円超となった軸受け最大手の日本精工(NSK)や、工作機械大手、牧野フライス製作所の見通しも、円高を警戒して前期比ほぼ横ばいの業績を予想している。

 好調な局面が持続するとみるダイフクの下代社長も、半導体関連事業については「どのように推移していくか注視しなければいけない」と警戒感を示す。

 IoT(モノのインターネット)需要を見込んだ半導体製造装置メーカーの活発な投資や、人手不足に伴う自動化の進展により、大手機械メーカーは歴史的な活況のただ中にいる。

 機械メーカーの業績は設備投資に左右され、08年のリーマン・ショック後は経営の屋台骨が大きく揺らいだ。その記憶が鮮明に残っているだけに、業績は堅調に推移すると予想する企業が多い中、慎重な姿勢が目立っている。

最終更新:5/17(木) 7:15
SankeiBiz