ここから本文です

監督、試合前に「QBにけが」指示か? 日大アメフト部、廃部必至 “殺人タックル”で刑事事件化も

5/16(水) 16:56配信

夕刊フジ

 悪質過ぎるタックルが、アメリカンフットボール名門校の歴史を破壊した。今月6日に行われた関学大と日大の定期戦で、日大の選手が、パスを投げ終え、無防備な状態の関学大のクオーターバック(QB)に後ろから激しくタックルし、けがを負わせた問題が波紋を広げている。傷害事件として刑事事件化する可能性も浮上、識者は「永久追放や廃部も当然」と指弾した。

 タックルを受けたQBは全治3週間の診断を受けた。QBの右脚にはしびれも出ているという。

 スポーツ庁の鈴木大地長官は14日の記者会見で「危険な行為で、普通ならレッドカードに値するプレーではないか。なぜああいうプレーが起きたのか考える必要がある」とし、関東学生アメリカンフットボール連盟に事実確認することを明らかにした。

 他校は日大との試合を拒否。春季オープン戦で予定されていた5月20日の法政大戦、6月9日の東京大戦、10日の立教大戦が中止となった。

 危険なタックルをめぐっては、日大の内田正人監督が試合前のミーティングで「最初のプレーで相手のQBにけがをさせる。何か言われたら『監督の指示』と言っていい」と話していたと報じられた。内田監督は試合後、「選手も必死。あれくらいやらないと勝てない」とコメントしており、アメフト関係者からは、タックルを選手個人の暴走と捉えることに疑問の声も出ている。

 「本番の秋の試合が控えているのに、なぜこんなにメリットのないプレーをしたのか。理解できない」と戸惑いを見せるのは、日大OBでアメフト部との関わりも深い男性。「関学大選手らへのタックルは、選手個人としても、監督の指示としてもあり得ない悪質なプレー」と指摘し、「相手の悪質なプレーで選手が負傷する可能性があるのだから、試合中止を求める大学が相次ぐのも当然だ」と話した。

 「今の日大アメフト部は、相手校に対してのリスペクトが欠けている」ともOB男性は指摘する。日大は、昨年12月にアメフトの全日本大学選手権決勝である第72回甲子園ボウルで関学大に勝利し、27年ぶり21度目の優勝を果たしていた。

 「優勝を受けて天狗(てんぐ)になっていたのかもしれない」とOB男性は話す。

 高橋裕樹弁護士によると、「スポーツのルールにのっとってプレーしていれば、『正当業務行為』であり違法性はない。ただ、もしルールを明らかに超えていると判断できるのであれば、暴行・傷害罪になる」と指摘。「もしも監督が選手に明らかな加害行為の指示を出しているなら、共謀共同正犯で暴行・傷害罪の共犯者、むしろ首謀者になる。一般にスポーツの中での立件は可能性は高くないが、刑法犯として処罰される可能性はある」と話した。

 2012年には、フットサルの試合で相手チームの男子大学生を転倒させ、審判からレッドカードを出された直後、大学生の首を蹴り上げたとして、傷害容疑で元日本代表の男が奈良県警に現行犯逮捕された例もある。

 27年ぶりの栄冠を手に新時代を築こうとした日大だが、最悪の形で歴史に幕を閉じるしかないのか。

 ■スポーツ評論家の玉木正之氏の話 監督指示なら「永久追放になって当然」

 「今回の事案は明白な暴力行為であり、被害にあった選手へのケガの謝罪だけではダメだ。どのように原因を究明するのか、日大の判断が待たれる。もしも監督が選手に対し、暴力を助長するような指示を出していたとするなら、永久追放になって当然だ。日大アメフト部の廃部もあり得る。日大自らがどれだけ重い処分を科せるかが今後の課題となる。このような行為があるのは、スポーツのレベルが低いことを露呈しており、大学スポーツそのものを見直すことも必要だ」

最終更新:5/16(水) 17:13
夕刊フジ